で、つづき。
海洋堂の完全コレクションブックを 夜の夜中に 眼の下クマこさえた女同士額つきあわせ 「外国製は、左右対象だが、海洋堂は微妙に非対称。 ほれ、この鶴を見ろ、この首のかしげ方なんぞ 泣かせるなったくよー」 という話しを ふんふん頷きながら聞く。
実は、彼女の大学時代の同級生(@大手ゼネコンリストラにつき無職中)が、 終電に乗りそびれまた戻ってきたあと、隣で座布団の上で寝ていた。
でもそんな物体はまるで存在していないが如く 彼女のミニチュア談義は続く。
思えば、私はミニチュアやドールハウスに非常な興味がある。 ちまちましたものを 決して自分で作ったりはしていないのだが いつの日か老後の楽しみとして、紙粘土と絵の具は買ってある。
なぜこんなにミニチュアを見ると心がぶるんぶるん震えるのか 自己分析すると、やはりご幼少のみぎりの「お店屋さんごっこ」。 ボンレスハムとか、サンドイッチとか ちっこいちっこい塩ビの数々を いとこに盗られた昇華できぬ欲求か。
はたまた、ロンパールームでみどり先生(初代)が子供達の前で見せた 「お天気みどりちゃん」の着せ替えボード。 下着姿のみどりちゃん、フエルト状の板に描かれた。 白いシュミーズとズロースを履いていたが、 黄色い通学帽や、紺色のセーラータイプの通学服とかを貼りつけられる。 ぺたぺた剥がしては、鞄を持たせたり、犬の散歩をさせたりできる。 その、郷愁で ミニチュアが好きなのか。
大阪のお菓子「満月ポン」は95%懐かしさの味や!と 松本人志は吠えていたが、ミニチュア郷愁はおそらく上記の複合のなせる技か。
そうこうしてると、今度は彼女が 「卓球せぇへん?」 と聞いていた。
なんやこの女。 なんで4時に卓球やねん。
口に出す前にとっとと準備しだす友人。 弟夫妻が誕生日祝いにくれたTVゲーム。 でも、ほんまもんみたいなラケット。 ワイヤレスなのに、ちゃんと感知して画面の玉が跳ねかえる。
ひとしきりダブルスで汗を流す。
うりゃ! おわっ! っとこよっ! ぐわし!
マコトちゃんのようになりながら小指立てつつラケット握る女。
その傍らでぴくともせず眠りこける無職の男一体。
なにより、こんなおもちゃを 弟夫婦からバースディにプレゼントされる 1人暮しの女。(同居はインコ2羽)
インコの名前は去年のキューバ旅行ですっかりはまった「サルサ」と「ルンバ」。 しかし、私は「カストロ」と「チェ・ゲバラ」にしろとせがみ、そう呼んでいる。
余談だが彼女の部屋にはゲバラ帽が飾ってある。
あぁ神戸の夜は更ける。
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