目口覚書
■目口覚書■
ごめんください
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2002年05月04日(土) マンションの一室で

で、つづき。

海洋堂の完全コレクションブックを 夜の夜中に
眼の下クマこさえた女同士額つきあわせ
「外国製は、左右対象だが、海洋堂は微妙に非対称。
ほれ、この鶴を見ろ、この首のかしげ方なんぞ 泣かせるなったくよー」
という話しを ふんふん頷きながら聞く。

実は、彼女の大学時代の同級生(@大手ゼネコンリストラにつき無職中)が、
終電に乗りそびれまた戻ってきたあと、隣で座布団の上で寝ていた。

でもそんな物体はまるで存在していないが如く
彼女のミニチュア談義は続く。

思えば、私はミニチュアやドールハウスに非常な興味がある。
ちまちましたものを 決して自分で作ったりはしていないのだが
いつの日か老後の楽しみとして、紙粘土と絵の具は買ってある。

なぜこんなにミニチュアを見ると心がぶるんぶるん震えるのか
自己分析すると、やはりご幼少のみぎりの「お店屋さんごっこ」。
ボンレスハムとか、サンドイッチとか ちっこいちっこい塩ビの数々を
いとこに盗られた昇華できぬ欲求か。

はたまた、ロンパールームでみどり先生(初代)が子供達の前で見せた
「お天気みどりちゃん」の着せ替えボード。
下着姿のみどりちゃん、フエルト状の板に描かれた。
白いシュミーズとズロースを履いていたが、
黄色い通学帽や、紺色のセーラータイプの通学服とかを貼りつけられる。
ぺたぺた剥がしては、鞄を持たせたり、犬の散歩をさせたりできる。
その、郷愁で ミニチュアが好きなのか。

大阪のお菓子「満月ポン」は95%懐かしさの味や!と
松本人志は吠えていたが、ミニチュア郷愁はおそらく上記の複合のなせる技か。


そうこうしてると、今度は彼女が
「卓球せぇへん?」
と聞いていた。

なんやこの女。
なんで4時に卓球やねん。

口に出す前にとっとと準備しだす友人。
弟夫妻が誕生日祝いにくれたTVゲーム。
でも、ほんまもんみたいなラケット。
ワイヤレスなのに、ちゃんと感知して画面の玉が跳ねかえる。

ひとしきりダブルスで汗を流す。

うりゃ!
おわっ!
っとこよっ!
ぐわし!

マコトちゃんのようになりながら小指立てつつラケット握る女。

その傍らでぴくともせず眠りこける無職の男一体。

なにより、こんなおもちゃを
弟夫婦からバースディにプレゼントされる
1人暮しの女。(同居はインコ2羽)

インコの名前は去年のキューバ旅行ですっかりはまった「サルサ」と「ルンバ」。
しかし、私は「カストロ」と「チェ・ゲバラ」にしろとせがみ、そう呼んでいる。

余談だが彼女の部屋にはゲバラ帽が飾ってある。


あぁ神戸の夜は更ける。


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