Story of love
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2003年12月19日(金) ソ・ラ・マ・メ 4


その紙は薄いローズピンクで、その時のわたしの気持ちが投影されているような色。 
 
罫線を無視して文字が走り書きされている。生き生きと。まるではしゃいでいるかのように。 
 


    マフラーがあと少しで編みあがる
 
 

 
そう、その時わたしは、クリスマスのプレゼントにと、編み棒を懸命に動かしてマフラーを編んでいたんだっけ。色は・・・・・モスグリーン。 
 
 
きっと彼に合う。 
 
 
指先からあふれる「好き」をそのままに閉じ込め、ふわっと首にかけてあげる日を瞼に浮べて。 
 
 
 
紙面を埋め尽くすかのように彼への想いを綴っていた日記も、その間だけはおざなりで、何日もの間、走り書き程度しかしていなかったことを思い出す。 
 
 
喜ぶ顔を思い浮かべながら、人のために何かをすることに打ち込むことで、あんなに幸せだった日々ははじめてだった。 
 
 
相手に何かを注ごうとすることで自分が満たされていく。たぶんあれは「愛」と呼ぶにふさわしい感情だったのだろう。 
 
 
 
そう、わたしはたしかに彼を愛していたのだ。 
 
そして、たぶん今でも。 
 

(つづく)


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