東行庵の軒下で

2001年12月23日(日) その八

彼は、砂浜に打ちあげられた丸太に腰掛けました。

楽園・・エデンの丘で、いつも地球を見ていました。
地球に降りてみたい、住んでみたいと、白い翼をハタハタさせながら思っていました。

だって、地球はあんなに綺麗なんですもの−

息苦しさは胸を駆け上がり、髪の毛の先まで、青い羽根の先まで走りました。
ひそかに、彼が持っていたもの。地球にあこがれる一方で、持っていたもの。
ヒトに、天使に、そして神サマに。宇宙の闇よりも、アクマの体よりも、黒くて重いモノ。[疑い」

ひざの上に置いた、ぎゅっと握られた手の上に、ぽたぽたと、しずくが落ちます。
これはきっと、疑いを持った自分に対する罰なのかも・・と、彼は思いました。
今まで、目からしずくが流れ出ることなんて、ありませんでしたから・・・・


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