結局、無事に障害クリアできたらしい。 彼女の不倫相手を無事追い払った模様で、まずは奮闘ご苦労さまである(笑)
が、その後に、今度は大きな決断をI君はしなくてはならなかった。 まぁこれは…そう苦しい選択でもないんだろうな、と思った。 彼はメールで「自分で決めなくちゃならないことだから」と言い、「だから聞いてくれるだけでいい」と前置きをした。なおかつ、「もし聞きたいならオンラインで会った時にでも」と、まぁ謙虚なお方(爆)
そしてまたまとわりつく某君をなんとか追い払って(ひどい言い草だ)、さぁ聞かせてもらいましょーか、とジョッキを振り上げた。
…邪魔者を追い払った後。 彼女に泣かれたらしい。
「私を一人にしないで」と。
お約束お約束お約束ですなーーーーーーーーー(;´Д`) ってかさー。担任ではなかったっつってもね?わかってたことでしょ?I君がどこのおまわりさんになろうとがんばってたかをさ(;つД`) 今頃になって言うのかっ。 I君はすでに試験受けて来た後ですよ? (その時、別れた元カノの善意でそこのお宅に泊まったらしく…、思わずゲンコツしそうになったが。ただ床で寝させてもらっただけだと主張しているがどうなんだかっ)
…おーまいがっ。
その瞬間のあたしからのコメントはこれに尽きてしまった。
真剣に悩んでしまっているI君はかなり暗い。 前の仕事をやめると決めた時も。 あまり親子関係のうまく行っていない母親に電話するって言った時も。 ずっとリアルタイムで彼の人生模様を眺め続けていた私だ。 励ましもしたさ。 一緒に酒飲んで、馬鹿話して笑ったり、しんみり話したり、お互いの考え方をぶつけ合ったさ。 おんなじ時期に失恋して、お互いの傷に塩塗りこんだこともあったさ。
今までの苦労を見てきて、私はI君にはこのまま目指していた場所へとがんばって行って欲しいと思った。 大阪府警に勤務したくて、前の仕事やめてがんばって来たんじゃないか。 というか、教え子の足ひっぱる講師ってどうなのっ!?
なんて思ったのも確かだ。
が、あたしは彼の望む通りに自分の意見は何ひとつ言わなかった。
ただ「遠恋」じゃ駄目なのか、と聞いてみた。 新幹線なら二時間くらいの距離じゃないか。
でも。 あたしもI君も遠距離恋愛で失敗している。 さらにその友人の遠距離恋愛の相談も受けて、女の立場からの意見を聞かれて答えたことがある。 駄目になりそうだな…と思ったけど、やっぱり駄目だった。 女の方から「一緒にいてもあまりに自然すぎてときめきがなくなった。恋人と言うより家族みたいで、もう恋愛感情とは言えない」と宣言され、しばらく距離を置きたい…と言い渡された人のことだが、これは書こうと思ったけど書けなかった。
その時私は「相手が話したくないって言ってる時に押しかけたりうるさくしても、逆効果で嫌われると思うけど…」と、自分の経験上のことに限定して返答したんだっけ。 結局彼らも駄目になった。 何がどう足りなかったのかはわからない。
家族のような感覚で安心できる相手になったのなら、私にはそれが理想のように思うんだけれど、きっと彼女の言わんとしたことはもっと他にあるんだろうなと思った。
自分達の周りには、遠距離恋愛で成功している見本がない。 だから「遠恋」は出来れば避けたい気持ちはわかる。「遠恋」したくて「遠恋」している人たちなんていないだろうと思う。できれば傍にいたい。そう思うんじゃないだろうか。
I君は、結論をいそがないとならない…と言った。 彼女の思考パターンからして「自分がいなくなればあなたを困らせなくて済む」とか言い出しかねないから、ということらしい。
こーの悲劇のヒロイン病がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ
と、思いつつ、ゴックンゴックン飲みこむあたし。 I君なんかは、そういう部分が「わかっているけどやめられない」ということらしい。 はいはい、お幸せに。
数日後。 合格通知が来て、二日目にI君は結論を出した。 もう一年、学生をする覚悟を持ったらしい。
これをどう解釈するかは人それぞれだろう。 あたしが口出しすることではない。
彼の言う理由には、彼女のこと以外に「親」の存在があった。 この一年で、過去に持っていたしこりが少しずつ取れて、転勤族の兄夫婦がそばにいない分、出来れば近くにいて欲しい…という意向があったらしい。 大阪へまい戻るのを断固反対されたわけではないようだけれど、I君は親の気持ちもまた考慮したのだろう。
誰もかれもが寂しい思いをする結果よりも…ということだろうか。 言い訳臭いけど、理由にするには一番いいなと思える言葉をI君は言った。
「今までずっと好き勝手させてもらったし、少しは親のことも考えないとな」
あたしは「そっか〜」としか言えなかった。
今現在、I君は順調にお付き合いを進めている模様。 彼女は今年30になるらしく、「20歳過ぎた女が生足で歩くのは犯罪だ」と言ったらマジで(首絞めて)落とされそうになった、と笑っていた。 バカめ、内心かなり傷ついているぞ、それ。 足を出す出さないの問題じゃなくな。 「そのまま逝ってしまえばよかったのに」と追い討ちをかけておいた。
何はともあれ、I君が大阪府警をあきらめることで、八方丸くおさまったようだ。 これでよかったのかもしれない。
「さよなら、俺の大阪(涙)」
のセリフを鼻で笑って返して、その話はそれきりになった。
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