オンラインに来ている人は、寂しがりが多いなと思う。 現実では、寂しいって口に出せない人たちなんだろうなと思う。 そういう人ほど、オンラインの中の仮面の下では、寂しい、寂しいとつぶやくんじゃないかと思う。
他人のことをなんだかんだ言いながらも、あたし自身特殊なのかもしれないと思う。 根拠もない常識を振りかざして(常識というものに根拠があった試しはないと思うが)、他人を批判してみるのもいいけれど、それを自分の行動と比較してみて、自己満足しちゃうのも痛い。 というか、最近はもうずっと、自己否定、他人否定ばっかりだな。
心から信じよう思った相手に裏切られると、こんな風になるんだなぁ…ってどこか他人事のように考えてる。
本当の引っ越し前夜だということでIさんがやって来てた。 あたしはもう何も考えるのがいやで、だからまた自分からは誰にも連絡しないで、一人で鍵部屋にこもる。そんなしてまで、どうしてオンラインにつなぐんだろう? 一種の依存症かもしれないな…ってぼんやり思う。
またどことなく、しんごとの雰囲気はぎくしゃくしだした。
さぐるようなメールがしんごから届く。 いつも通りな返事をする。 この時あたしは、しこたま酔ってた。 自棄になって、脳みそ麻痺させてただ笑ってた。 麻痺させなきゃ、憶測と抱く権利もない疑念の渦に飲まれてしまいそうだった。 聞く権利もないのに、聞き出そうとしてしまいそうだった。 聞いたら聞いたでどれだけ自分が傷つくかわかってるから、それだけはしない。 否定されても肯定されても、傷つくだろうと思う。
こもってるのに飽きてロピーに出たら、馬鹿友達Uがやってきて、実のない馬鹿話をしてゲラゲラ笑った。いいかげんになった頃にIさんと、あたしが苦手としているK嬢もやってきた(相変わらずIさんにひっついてる。でも別の好きな相手が来ればそっちにひっつくんだよね)。
そこにしんごもすぐに来て、もうぐちゃぐちゃのわけわかんない集団と化している。 そしてあたしはいつにもまして、おっさん化が激しかった。
とにかく、かってないくらいに指が走った。 苦手な人が同席してても、おかまいなし。 というより、その人がどんな態度取ろうが自分の言いたいこと…って言っても、ただのダジャレとか上げ足取りとか、そんなばっかだったんだけど、それを言いまくり。 誰の会話が続くのも許さないくらい、キーボードを叩きまくってた。 昨日が半壊なら、今日は全壊だ。
そんなしてる間に、P嬢からメールが入ったから、こっちへおいでーって声をかけた。 いつもなら、誘わない。 来たければ来るだろうってことで、他人にどうしろとは言わない。 おいでって言われれば、安心してやってくるのはわかっているけど、いつもは絶対言わない。 なんでだろうな…ってふと自分に疑問を感じてみたりして(笑) 歪んでるんだろうね。
あたしが別の友達と一緒にいたとして、それに一緒に溶け込む気持ちがあれば来ればいいんだって思った。P嬢なら大丈夫だろう。
彼女は、ただ単にあたしと携帯のメアドの交換をしたかったらしい。 ここに来ると、チャットにはまってしまってまた寝られなくなるから…と言っているのを強引に「いいからおいでっ」の連呼で呼び寄せた。
Pさんとメアド交換するためにしばし沈黙。 それから少しだけ落ちついた。 Pさんはそれで用事が済んだから…と回線落ち。
そこらへんでやっと落ちついたけど、どこかハイになったまま。
今いる面子の中で、顔知らないのはK嬢だけだなー…
と話を振ってみた。 ちょっと顔を見てみたい気がしなくもなかったんだけど。 でも、メアド交換しようなんて気はさらっさらない。 単にネタとして振っただけだ。 そこに馬鹿友達Uが乗ってきたから、そのままそっちにまかせた。
そうして二人がシャメ交換している間に、うちらはまた駄洒落とこき下ろしあいの海へとダイブ。 K嬢が後から、あとはあなたのメアドだけ…とか言ってたのを、さりげなーくわざとらしく無視して、ゲラゲラ笑ってた。話振っといてなんだが、興味まったくないし。自分の顔を見せようとも思わない。 だって別に知りあいたいとは思わないもの。 いつか合うチャンスがあったら、裸足で逃げたいタイプだ。
2、3回スルーしたら、言わなくなった。 すっごく意地悪だっただろうか。
K嬢が落ちてから、馬鹿友達Uは、しんごの顔も見たい…と言いだした。 コレクターだよなぁ。 しんごは、自分は信用できる人にしか送らない…とすまして頑なに拒否してる。 それでも馬鹿友達Uはしつこく粘っていたけど、ついに今夜はゲットできなかったみたいだ。
それからメールの話や、リアルのことに触れる話になった。 というか、馬鹿友達がパンを自分で焼いて、それを焼き立てですぐ食べたら胃壁にはりついたらしく、ずっと腹が痛い…ってことから、ついに液状のナニを漏らしてしまった…って話でおおいに盛り上がり(こんなんだから、色気もそっけもないっつうんだよな)、あんまり苛められるせいで、馬鹿友達Uが八つ当たり気味に「そんなんだから男に騙されるんだ!!」と言い放ったのが皮切りだったかもしれない。
馬鹿友達は、あたしとしんごのことは知らない。 ただ、半端にあたしに何かあったってことを耳にしているだけだから、二股かけた当本人が目の前にいるとはわかっていないのだ。…やぱい、と思った。そこですぐに話をM君のネタへとすり替えたのだ。 しんごの知らない間の話。 あたしがもっとも荒れてた時の話。 でも何があったのかは、けっしてしっかりとは話さないで誤魔化しながら馬鹿友達には言葉でキックを入れてやった。
そこから今度はメールの話になった。 なんでメールの話になったんだかわからないけど。 突然、しんごは、まるで朝から晩まであたしがしんごにずっとメールしてるみたいなことを言う。 それは昔のことで、今はまったくしない日の方が多いのに…。 でもそれを言うと、きっとムキになるだろうと思ったから、黙ってた。 黙ってたら、あたしの過去のこととか、自分だけが全部知っているんだとポロポロ漏らしだした。 ちらちらと漏らしながら、圧力かけてくるヤツがいるから黙っておこう…なんて言いだす。
…あたし別に圧力もなんにもかけてないけど? 何がしたいわけ? それが自慢になるんだろうか? しんごは知らないだろうけど、Iさんはしんごとあたしがどういう経緯で付きあって別れたか、知ってる。知ってて知らないふりをしてくれてる。そういう部分が大人な人。 だからそういう意味でしんごはとっても子供だなと思った。 自己顕示欲? 他人が知らないことを知っている自分に優越感持ってるのかな。 でもね、その情報を得た経緯と状況を思いだしたら、普通ならとても言えないんじゃないの?って思った。
しんごが告ってきて、それから返事はしたけどやっぱり自分では受け入れ難くて、それで「自分はこういう過去かある人間だけど、それでも好きでいられるの?」って確認の意味もこめての過去の暴露だったんだけど…。 その時自分がなんて言ったか、それすらももう遠い過去のことだろうね。 「信じてほしい」 「今までの愛情が足りなかった分全部、埋めてあげるから」 そんな風に、過去の傷をえぐりだしてしまうのは、あたしが自虐的だから?
酒が入っててよかったと思う。 ものすごく感覚が麻痺してて、自分のことだけど自分のことじゃないみたい。 痛みに対して、麻酔が効いてる。
あまりにしんごが色々と言うから 「口の軽い男は一人だけじゃないんだよね」 って、ポロッと言ってみた。 しんごは「自分は口は軽くないよ。話すなと言われたことはけして言わない」って取り繕ってる。 あんたのことじゃないよ。 他にも口の軽い人がいて、あたしも色々聞いてるってこと。 そう暗に言ってみた。
友達Zから、色々聞いてるんだよ、あたし。 でもそれは言わない。 黙ってる。 それはあたしが大人だから。
なんだかバカバカしくなった。
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