2012年10月16日(火) |
てぃるのぐ建国祭(仮)・その13 |
「一度、挨拶をしておこうと思ってな」 「さんざんしたじゃない」 それはもう嫌というくらいに。 「確かにお前の先生方には挨拶させてもらった。留学していた名士の娘さんにお世話になっているとはなあ」 お父さんはティル・ナ・ノーグ生まれのティル・ナ・ノーグ育ち。だからティル・ナ・ノーグに住んでいる人たちのことを知っていてもなんら不思議はない。『留学していろいろやらかしていた』のところは後ほど先生当人に聞いてみるとして。 じゃあ、お父さんの友達にでも挨拶に行くのかと聞けば、それもあるといわれた。続けて、こうも告げられる。 「お前の大切な友人にもお世話になってるからな。親としてちゃんと挨拶しないとな」 「『大切な』とまでは言ってなかったけど」 素直に口にすると、照れる必要はないと笑われた。 「さんざん手紙に書いてあったぞ。危ないところを助けてもらったって。工房も手伝ってるんだろ? あと、確か面倒くさがりなところがあるってぼやいてたな。友達なんだからそれくらいは大目に見てやらないとな」 なぜかわたし自身が記憶にないところまでよどみなく語られた。言われてみるとそんなことを書いたような気がしなくもない。 「じゃあ、行くか」 なんだかんだでお世話になっているのは事実だし、挨拶はあってもいいのかもしれない。 「女の子なら可愛い服のひとつでも買えば良かったのかもな。けど俺は最近の事情はしらん。菓子折は後回しにしてまずは顔だけでもあわせてもらおう」 女の子? ニナちゃんは確かに女の子だけど手紙に書いたことあったかな。他に手紙に書いたことがある友人と言えば―― 「お父さん、今からどこへ行くの?」 「お前の大切な友人のところだ」 聞き間違いじゃなかった。
過去日記
2005年10月16日(日) 試合 2004年10月16日(土) 我が家のFE事情・その3 2003年10月16日(木) 「師匠とお兄ちゃん」UP
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