つれづれ日記。
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2012年10月03日(水) てぃるのぐ建国祭(仮)・その2

 あの後。先生達は準備があるからと閉業後も右往左往と大忙し。詳しく聞けば、お祭りの当番なんだそうだ。お祭りは夏や秋のものと違って体力勝負といったものはないけれど、一年の中でもっとも人が集まる。裏を返せばいつ病気や怪我人が出てもおかしくない状況ということで。ティル・ナ・ノーグにある施療院は、わたしがいるここ、グラツィア施療院だけじゃない。普段は当番制でまわってくるけどそれでも人手が足りないと言うことで、先生におはちがまわってきたというわけだ。
 だったらなおのこと、わたしも手伝いますと声をあげたんだけど、いつものように『若者は若者らしく祭を楽しみなさい』って追い出されてしまった。
 もっとも今回はそれがわたし一人じゃなかったみたいで。
「それこそ相方の家にお世話になればよかったじゃない」
「ユータ(ユータス)も取り込み中だったの!」
 ユータの両親とは故あってほとんど家族ぐるみのつきあいになってる。でも本業の施療院に身をよせた以上、泊まり込みでお世話になるのはさすがに気がひける。それでも念のためと工房をのぞいてみれば精魂つきはてて倒れている相方の姿。半ば強引に起こして家に連れて行って、そのまま帰ってきた。
「お邪魔すればよかったのに」
「お邪魔できなかったからここに来たんやろが!」
 家にお邪魔すれば、今はもぬけのからで。正確には『出かけてきます。料理は作り置きしてますから一日くらいゆっくり休みなさい』の旨の置き手紙ひとつ。さすがに一つの屋根に男女が泊まる――しかも、その住人は熟睡しきっている――わけにはいかず、強引にベッドに転がした後、一人ここまでやってきた。
 やっぱり施療院にもどるべきかなと元来た道を歩いていると、同じようなことを考えて道を歩く友人、クレイアと出くわしたのだ。






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