2012年08月26日(日) |
アール・エドレッドの場合(仮)・2 |
本当に復活した。
「いやー。一時はどうなるかと思った」 「大げさだろ」 「本当本当。目的地にいくはずが途中で迷って。やっぱりあれだなあ。海から離れるとどうも調子が悪くなるみたいだ」 いや。そもそもここ(ティル・ナ・ノーグ)自体が海そのものだし。 つっこみたかったが目の前の男が聞いていなさそうだったのでやめた。そもそもここで反論すれば目の前の料理がなくなりそうな気がする。
『水をください。できれば海水で』 半信半疑で港までひきずって――もとい、肩をかして。コップでも借りて海の水をくもうかと思案していると、勢い余って海に落ちてしまった。気を失っている人間が海中に沈めばどうなるか。慌てて海中から引きずり出してもどってきて。 さすがに人工呼吸をする気にはなれずなりゆきを見守っていると気づいた時の第一声は「あれ? 君、誰?」だった。 「まだ残ってるよ。さめないうちに早く食べなよ」 今日はふんだりけったりだと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。助けてくれたお礼ということで港にある飲食店『海竜亭』で食事をごちそうしてもらうことになり――結果的に海に突き落としたという事実は伏せておいた――現在にいたる。気になることは多々あるものの、男が言うように確かにこのままでは皿の料理が冷えてしまう。 考えるのは後回しとばかりにアールは空腹を満たすことに専念した。
過去日記
2005年08月26日(金) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,70UP 2004年08月26日(木) キャラとテーマと 2003年08月26日(火) 文明人への道
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