2012年08月10日(金) |
伊織の手紙−海より−(仮)・9 |
一人読書にふける兄をよそに兄弟達はボール遊びを始めた。はじめは少しだけだったけど、一人増え二人増え。 「お姉ちゃんできた!」 近くにいた子ども達が砂でできたお城を指さす。 「すごいね。みんなで作ったの?」 「うんっ!」 無邪気に笑う子ども達がまぶしい。目を細めているとオレも! あたしもと子ども達に手をひっぱられる。 ……まあ、いいか。 本当は落ち着いたらみんなのいないところで泳いでこようかと思ってたけど。子ども達をおいていくわけにはいかないし。今日は砂浜遊びに専念しよう。 「大盛況だね」 振り向くとコップを二つ手にしたリオさんがいた。 「先生達はいいんですか?」 「成り行きを見守ってたんだけどね。まだまだ続きそうだから」 ちなみにトモエさんとパティちゃんもいるよと言われて。面白半分出始めたビーチバレーはまだ終わりそうにはなさそうだ。 「イオリちゃんってほんと子どもに好かれるんだね」 ジュースを受け取りながらそんなことないですよと返す。白花(シラハナ)にいた頃から兄弟がいなかったぶん、近所の子ども達とよく遊びはしたけれど。今は工房を手伝うようになったからニナちゃんやウィルくんと話をするようになったし。今回もその影響なのかな。そう言うとそれも一つの才能だよと感心された。
過去日記
2005年08月10日(水) 京都日記その2 2004年08月10日(火) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,17UP 2003年08月10日(日) いきなり次回予告
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