つれづれ日記。
つれづれ日記。

2012年04月16日(月) 白花(シラハナ)への手紙(仮)・67

『船の上の出来事といえば、嵐で一時期立ち往生してしまいました。ああ、今は無事にティル・ナ・ノーグにたどり着いているので安心してください』
 アルテニカ家の一室で、昨日の手紙の続きを書く。
『おばさんの家はなかったけれど、ティル・ナ・ノーグでできた知り合いのところに少しだけ泊まらせてもらうことになりました。この手紙はそこから書いています。
 知り合いのご家族はいい人達で白花から来たばかりのわたしにとてもよくしてくれます』
 嘘は書いてないよね。昨日知り合った人のお家にお邪魔させてもらってるんだから。
『この手紙が届く頃には、グラッツィア施療院という場所へ行ってきます。なんでもティル・ナ・ノーグで一、二を争う名医がいらっしゃるそうです。その辺りはお父さんが詳しいのかな。

 落ち着いたらまた連絡します。それまでお元気で。伊織』
 知り合いが男の子ということは伏せておいた。変に勘繰られても嫌だし、お邪魔するのも今日までだろうし。
 と当初は思っていたのだけれど。
 一日だけのはずが、アルテニカ家には結局それ以降も居候させてらうことになった。ユータスさんを藤の湯から連れ帰った際にアルテニカ一家に『あのお兄ちゃんがぴかぴかになってる!』といたく感動され生活習慣改善のためにももう少し長居してほしいと頼まれたからだ。正直気が引けたけど、藤の湯のことも気になっていたしご厚意に甘えさせてもらうことになった。そして思う。普通にお風呂に入ってきただけで感動されるユータスさんって一体何者なんだろうと。

 そして今日は、いよいよグラッツィア施療院に出かける日。






過去日記
2010年04月16日(金) 委員長のゆううつ。14
2004年04月16日(金) 企画中〜♪
 < 過去  INDEX  未来 >



香澄かざな 




My追加