つれづれ日記。
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2012年03月03日(土) 今宵、魚のみる夢は(仮)・3

 魚――というのも語弊があるかな。『海』そのものなんだあの人は。すべてが大きいというか豪快というか。
 けどオレに言わせればただの頑固親父だよ。『俺が法律だ。文句あるか』を地でいくひとだから。実際ものすごく有能で顔が広いから大抵のやつらは口を出さないんだけど。強気な言動を憎々しく思っている奴らも確実にいるわけで。もう少し穏便にすませればいいのに。ニーヴおばさんの爪の垢でも煎じて飲ませたいよ。尻ぬぐいさせられるオレ達の身にもなってみろ! というか、いい年なんだから少しは丸くなりやがれ!

 ああ、ごめん。今の忘れて。つい興奮しちゃったよ。今度会ったらオレ何しでかすかわかならいかも。その時は止めてねシリヤ。
 とにかくその人にはたくさんの奥さんというか子どもたちがいて。……まあ、その。そういう方面にも豪快なんだあのヒトは。気になる女性がいたら片っ端から口説きまくってるというか。その中の子どもに一匹の魚がいたんだ。
 曲がりなりにもあのヒトの息子だから。それなりの地位というか能力というか、それなりの仕事を任されていた。とどのつまりは父親のしりぬぐいなんだけど。父親がいつもお世話になってますって時には頭を下げたり時には『頭下げてるだろ。いい加減そっちもおれやがれ!』って喧嘩になったり……何? その視線は。オレ、何か変なこと言ってるかなぁ。人間の感覚とは多少違うかもね。
 何? 多少じゃないって? オレの話じゃないんだからいいだろ。
 とにかく。子どもの魚は尻ぬぐいという名目の抗争に巻き込まれていたんだ。
 そして、大きな傷をおった。






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