つれづれ日記。
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2012年02月21日(火) 白花(シラハナ)への手紙(仮)・38

 男の人ってみんな、ああなんだろうか。
 違うよね。お父さんはなんというか豪快っていう言葉が似合いそうだし、船で会った男の人は優しそうで……どこか、違っていたような気がする。さっきのユリシーズは軽率って言葉がぴったりな印象だった。
 そして、お星様にされた男の子とはというと。
「お待たせしました……あれ?」
 ユリシーズの姿が見えないことに気づいたんだろう。女の子があたりをきょろきょろと見回す。用事があって先に帰ったと説明すると、そうなんですかと納得したようにうなずいた。
「はじめまして。ニナ・アルテニカって言います。このたびは愚兄をここまで連れてきていただいてありがとうございました」
「いえ、そんなたいそうなことじゃ」
「おにいちゃんっていつもこうなんです。ぼーっとしてて、そのくせ何か気になることがあったら猪突猛進というか、グールになりそうになるまでたおれないというか」
 今だって、何か気になるものでも見つけたんでしょ? そう続けられてそんなところですと曖昧な返事を返す。お星様にしましたなんて口が裂けても言えないし。
「ほら、お兄ちゃん。いつまで寝てるの」
 お兄ちゃんってことは予想通り妹さんらしい。二度、三度揺すられた後、
男の子は重いまぶたをあけた。
「……ニナ?」
「やっとお目覚め?」
「なんでおまえがこんなとこにいるんだ? 怪物が出たら危ないだろ」
「ここは家。まだ寝ぼけてる?」
 続けてニナちゃんがさらに体を揺する。目をつぶりそうになったところを揺さぶり、再度閉じそうになると再度ゆさぶられて。
「ペルシェ!」
 男の子の瞳が大きく見開いた。






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