2012年02月20日(月) |
白花(シラハナ)への手紙(仮)・37 |
「男と間違われてその奇妙な武器でお空の星に飛ばしました、なんて言っても誰も信じないだろ」 いたいところをつかれ反論できないのが悔しい。だからといって訂正しても墓穴をほるだけだから、ここは彼の説明に水をささないことにする。 「どうした?」 「いろいろとありがとうございました」 とはいえお世話になったことには変わりないので三度頭をさげる。俺のことは嫌いじゃなかったか? という問いにはそれはそれ、これはこれですと返した。 「だけど。金輪際変な言い方しないでよね。ユリシーズ」 「いきなり呼び捨てか。俺のことそんなに気になる?」 「勘違いしないで。尊敬に値しないひとはわたしの中では呼び捨てで充分なの」 外国の常識はよくわからないけれど。一般的な常識非常識はわたしにだってわかる。いくら気にくわない人とはいえ頭をさげるくらいの礼節は持ち合わせているつもりだ。 そんなことを考えているとふいに、青みがかった緑色の瞳にみつめられる。 「おまえ、将来いい女になりそうだな」 もっとも、その前に見た目をどうにかしないとな。そういわれて反射的にハリセンを手にしてしまう。 「おやすみ。縁があればまたな」 「おやすみなさい。もう二度と会うもんか!」 こうしてユリシーズと別れた。
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