2012年02月19日(日) |
白花(シラハナ)への手紙(仮)・36 |
「本人がそう言ってるだろ」 「女って、俺たちとは違う造形じゃないのか?」 大まじめにこの台詞。からかっているわけでも悪意があるわけでもなく、目の前の男の子は真剣に問いかけている。 だから、なおさらたちが悪い。 「……女?」 三度首をかしげて。ここでわたしの限界がきた。 「おん――」 「ふざけんじゃなか――!!!!」
すぱあああああん!!!
ハリセンで人を飛ばせることを知ったのも、ちょうどこの時だった。
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「夜遅くにすみません。アルテニカさんのお宅ですか?」 日も暮れて、星もちらほらと出始めた頃。わたし達はぼろぼろになった男の子を連れて一軒の家を訪ねた。 「はーい」 ぱたぱたと音がした後、男の子と同じ髪をした女の子が姿を現した。 「おにいちゃん!?」 たぶん、妹さんかな? 「えっと、その……」 「森をさまよって倒れていたところを拾ってきたんだ」 助け船をだしてくれたのは鳶色の髪の男の人。うん。本当にそうなんだけど。
過去日記
2006年02月19日(日) 米寿 2005年02月19日(土) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,43UP 2004年02月19日(木) 「EVER GREEN」5−3UP
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