2012年02月13日(月) |
白花(シラハナ)への手紙(仮)・30 |
『肌身離さず身につけておいて。必ず役にたつから』 海の上で荷物に忍ばせてあった手紙。『どこかの海のにーさん』よりとしめくくられていたそれには続きが書き連ねてあった。 親からもらったものはどんなものでも大切にしたほうがいいとか。手紙はちゃんと書いて送った方がいいとか。
腕輪の正しい使い方とか。
冗談かと思ったけど、もしかして本当に!? 自分でも馬鹿げてるとは思う。今はわらにもすがりたいこの状況だし覚悟を決めるしかない。 「どこかの海のにーさん、わたしに力をかしてください」 というか、そこで寝てる男子いいかげん起きなさい! 口にだして、一部胸中でつぶやいて左手首を強くにぎる。かくして異国の地での戦いが幕を開けた。
『腕輪に触れて強く念じるんだ。初めのうちは何でもいいから声に出してみるといいかもね』 何をどう念じるんですか。試しにお願いとか出ろとかつぶやいても何も変わる気配はなかった。強いて言えば獣との距離が近くなったのと、こんな状況なのに男子が起きないって事くらい。そもそもこの人を追わなければこんなことにならなかったのに。 『強い気持ちがあれば、ちゃんと使いこなせるはずだ。初めのうちは慣れないかもしれないけどがんばって』 おにーさん、何をどうがんばれって言うんですか。 それよりも、何よりも。 「いい加減起きなさいよ!」 叫ぶと同時に辺りがまばゆい光に包まれた。
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