2012年01月13日(金) |
たまにはお花見を(仮)6 |
「シリヤはどうしたの?」 「まだ眠ってますわ。こんな夜更けに出歩く方がおかしいでしょう?」 夜更けにレディを起こそうとするなんて礼儀がなってないんじゃなくて? 続けて言われ、その彼女に呼び出されてきたんだけどと応じるリザ。二人の会話を聞きながら、なぜ自分がここにいるのかをフォルトゥナートはぼんやりと考えた。時刻は真夜中。賊らしきもの(別のものはいるが)がいないとわかった以上早急に自室にもどり休息をとるべきだ。 だが意志とは裏腹に身体がいうことを聞いてくれない。正確にはこの場にいるもう一人の者に体の動きを遮られていた。さらに精確に言えば背後からしがみつかれていて身動きがとれないのだが。 「君こそこんなところで何してるのさ」 「ここは私の家ですもの。いて都合の悪いことでもおあり?」 会話は続いているが、会話の長さに比例して肩と腕に込められた力が強くなっている。 これはもしかしなくても。 「怯えてる?」 「そんなわけないじゃないか」 もっとも問いかけに覆い被さるような早さで、かつうわずった声で言われれば信憑性に欠けることこのうえないが。 「全然怖くなんかないよ? こう見えてオレって長生きしてるんだから」 「……じゃあなんで僕の後ろに隠れるの」 これではどこからどう見ても怖がっている以外のなにものでもない。
過去日記
2011年01月13日(木) 「描写力がつくかもしれない30のお題」その11 2010年01月13日(水) 「文章修行家さんに40の短文描写お題」その10 2006年01月13日(金) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,89UP 2005年01月13日(木) 書くかも書かないかもわからないネタ 2004年01月13日(火) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,6UP
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