つれづれ日記。
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2010年06月26日(土) 委員長のゆううつ。その2−26

 考えてもみてほしい。あたし、高木詩帆は正真正銘十六歳の女子高校生だ。体育の授業ならまだしも日常生活に戦うなんて言葉出てくるはずもなく。
「先輩はできるんですか」
「何が?」
「その。……戦うってこと」
 うらみがましくきいてみると。
「できるよ。当り前でしょ」
 あっさり肯定された。そういえば初めて会ったときに聞いたような気がする。

 人殺しさ。

 明日の天気でも告げるような声で言ってた。冗談だとは思う。でも。
「この世界って、そんなに危険な場所なんですか」
「ちょっと違う。詩帆ちゃんの世界が平和すぎたんだよ」
「そんなこと」
「ないって言えるの? 道を歩いているだけで襲われることは? 命の危機にさらされたことは?」
「……ないです」 
 幸いそんな犯罪沙汰になったことはない。道を歩いてるだけでってどこの映画の世界なんだ。
「なら詩帆ちゃんの世界は平和なんだよ。そしてこの世界はそんなに優しくない」
 悔しいけど事実だった。そして先輩も、やっぱり優しくない。






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