2010年06月19日(土) |
委員長のゆううつ。その2−20 |
「柱ですね」 「うん。柱」 「どこからどう見ても大きな立派な柱だ」 あたし、リズさん、先輩が思い思いのことを口にする。だって、そうとしか言いようがなかったから。 海の中にそびえ立つ柱。横幅は三メートルくらい、縦幅は水面にさえぎられて見えない。水の中から上を見上げるなんてこと、そうそうはないだろうな。見上げながらふと思う。おかげで首が痛くなりそうだ。 「天昇台(てんしょうだい)って言うの。これで海の状態がわかるんだよ」 マリーナお願いと言うと、マリーナさんは二つ返事でうなずいた。青の光が柱の前で止まる。しばらくすると、光が強さを増した。 「地上は晴れてるみたいだね。これならよさそう」 あたしにはちっともわからない。天気予報みたいなもんだろうか。 「でも、ここからどうやって出発するんですか」 リドックっていう場所が水の中ならいざ知らず。神殿もその場所も地上にあるらしい。じゃあどうやって行くのかというと。 「ここから行くの」 柱を指さしたのは先輩だ。行きは水中に飛び降りて、帰りは柱ですか。ファンタジーってすごい。 「リズっちお願い」 先輩が片目をつぶってお願いする。相変わらず軽いなぁ。任されたリズさんは同じく微笑むと柱の前に手を添えた。 「我は海を司りし者。我と竜の加護を受けし者の名において、汝(なんじ)を使役する」 柱が青から、今度は蒼色に変わった。
過去日記
2005年06月19日(日) 「EVER GREEN」7−10UP 2004年06月19日(土) もうすぐ30000 2003年06月19日(木) 台風とバレー。
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