2010年06月20日(日) |
委員長のゆううつ。その2−21 |
「これで、何が起るんですか」 「大事な情報がわかるの」 そう言って瞳を閉じる。光の具合からして本当にすごいことなのかも。そう思った矢先。 「今日の降水確率は30パーセント。ところにより一時、にわか雨がふるでしょう」 天気予報ですか。 少しして今度は柱の周りが空洞になった。 「乗って」 促されるまま台の上に乗る。しばらくすると台が上昇しはじめた。 まるで壁が透明なエレベーターにのってるような、そんな感じ。なんとなく幻想的な世界を想像していただけになんだか圧倒されてしまう。 「やろうと思えば海と地上を行ったり来たりできるんだろうけど。実際にする人は少ないかな」 「そうなんですか?」 これだけ便利なものがあれば、海に旅行に行き放題なのに。そう思って尋ねると、海の方が気候も重力も安定してるんだそうだ。そういえば昔、そういうことを理科の授業で習ったような気もする。 ……ん? 「これって一方通行なんですか?」 「そんなことないよ。ちゃんと地上からここまで降りれるよ」 ということは。 「あたしを突き落とす必要なかったじゃないですか!」 「ちゃんとお姫様だっこしてあげたでしょ。だからチャラね」 「言い訳になってない!」 天昇台の中はあたし達のそんなやりとりでごったがえしていた。
過去日記
2007年06月20日(水) アンケートを設置してみました。 2006年06月20日(火) こんな昇はいやだ。 2004年06月20日(日) ショックだったこと 2003年06月20日(金) 「EVER GREEN」2−10UP。
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