2010年06月06日(日) |
委員長のゆううつ。その2−9 |
「そんなに大声出さなくても」 懇願も空しくカーテンは開けられて。それでも見られるのは嫌だから残ったカーテンで体をかくす。 「いつまでもそのままじゃラチあかないだろ」 隣でマリーナさんがつぶやく。事実なんだけどやっぱりやだ。 「こんなに似合ってるのに」 「リズさんはいいんです!」 そう言って隣の自称叔母さんをかえりみる。ミント色の服は藍色の髪によくあっている。襟元にはリボンと中央にカメオ。裾や袖にはフリルがふんだんに使ってあって、その色はチョコレート。長袖のヨークドレスと言うんだろうか。俗に言うゴシックロリータとは少し違うものの、小柄と言うよりも華奢な身体にはよく映えている。 対してあたしはというと。 「いいから出て行きなよ。これじゃ先に進めない」 「じゃあ進まないでください」 「そんな無茶苦茶な」 無茶苦茶でも嫌なものは嫌なんだ。でもこのままじゃいけないってこともわかってる。せめてまともな服があれば。 ああでもないこうでもないと考えあぐねていると。 「わっ」 煮えをきらした先輩に残りのカーテンをひっぺがされた。 じいっと見つめられること数分。 「似合うじゃん」
過去日記
2006年06月06日(火) 不幸体質 2005年06月06日(月) 「EVER GREEN」7−8UP 2004年06月06日(日) 大阪日記。その1
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