2010年06月05日(土) |
委員長のゆううつ。その2−8 |
「絶っ対嫌です!」 店中にあたしの声がこだまする。 「なんで? 可愛いよ」 そりゃあ、あなたはいいでしょーが。似たような格好してるんだし。 「動きにくいじゃないですか」 そもそもこんな格好自体着慣れてないんだし。 「その点は大丈夫。ね」 なにが『ね』なのかわからない。『ね』の隣には緑色の発光体が。正確には小さな羽のついた女の人。 「マリーナ・クルヴェス。海の妖精さ」 「私は高木詩帆です」 海の妖精ってなんですか。と突っ込んだら失礼だろうか。ここは無難に頭を下げる。って、それどころじゃない。現状はまだ打破されてないんだから。 「動きにくいじゃないですか」 「長いことずっとこいつの相手をしてるけど。こいつは年中この格好でうろうろしてるよ」 それに伸縮性があって汚れにくい素材を使ってるしと余計な情報を教えてくれた。なんでも、彼女がこしらえてくれたとか。この小さい体でどうやってとか思うけど、やっぱり今はそれどころじゃない。 「リズっちまだー?」 しびれをきらしたのか、男性陣の声がする。 「いいよー」 「よくないです!」 「開けるよ」 「開けるなー!!」 抗議の声も空しく。カーテンは開けられたのだった。
過去日記
2006年06月05日(月) ハヤテのごとく! 2004年06月05日(土) 「EVER GREEN」6−2UP
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