つれづれ日記。
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2010年06月04日(金) 委員長のゆううつ。その2−7

「その格好はよくないと思うの」
 翌日。開口一番に言われた台詞はこれ。
「どこがですか」
「目立つじゃん」
 あたしの問いに先輩が応える。今のあたしの格好はというと。紺色のブレザーにプリーツスカートという学校の制服。春休みになったとはいえ通学している学生はごまんといるし大して珍しい格好じゃない。
 ただし、ここが異世界だということをのぞけば。
「目立ちますか?」
「だから目立つって」
 先輩は無視してカリンくんに呼びかける。詩帆ちゃーん、もうちょっと優しさをわけてくれてもいいと思うんだけどって声が聞こえるも無視。最近、スルースキルが以前にもまして上達したような気がする。
「僕の故郷では珍しい服装かもしれません」
 翠玉の瞳は苦い笑みを浮かべている。やっぱり目立つらしい。あたしの学校では約300人の生徒がこれを着用してるんだけど、と言ってもここでは通用しないんだろう。
「わかりました。着替えます」
 多数決によりしぶしぶ同意する。目立つのは好きじゃないし、いらぬ被害はさけるにかぎる。でも今のあたしが持ち合わせる服といえば、今着ている制服とパジャマ代わりのシャツにジャージ。動きやすくはあるものの見た目はちょっといただけない。学校の運動着を持ってくる案もあったけどそれこそ目立つから却下。やっぱり夜着を着るしかないかと考えあぐねていた時。
「大丈夫。服ならわたしがしっかり準備してるから」
 自称、叔母さんの視線と笑みがなんとも怖かった。






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