つれづれ日記。
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2010年06月01日(火) 委員長のゆううつ。その2−6

「そっち(地球)に行ってもよかったけど、まずは恩を返そうかと思ってさ」
 いつもの表情にもどって言う。
「先輩って意外と義理堅い人間だったんですね」
「うん、そう。ぼくって義理人情に厚い人間だから」
 どの口がそう言うか。とつっこみたいところだけど。なまじ合ってるから
何も言えない。道案内をしてくれたからとあたしとリズさんを引き合わせてくれて。まがりなりにも守るとか言ってもらって。

『詩帆のことはちゃんと守るから』

 白馬の王子を待つ乙女というわけではないけれど。面と向かって言われると照れるものがある。実際は毛布越しだったから表情は見えなかったけど。それでも真剣だってことだけはわかった。
『人殺しさ』
 明るい声で言った台詞は現実とはあまりにもかけ離れていて。あたしの人生もそこそこドラマチックだけど、先輩にもきっと何かがある。それは予感じゃなくて確信。そもそも普通の人間なら暗殺なんて物騒な言葉は使わないし腕にそんな傷をおったりもしない。だけど、この時のあたしは許容量がいっぱいで、何かがあるとは思いつつも心のすみにとどめておくことにした。
「どうなるかわからないけど、のんびりじっくりやってくよ」
 そこだけは、あたしも賛同しかねるところだったけど。
「あたし、二週間しか時間ないんですけど」
「大丈夫だいじょーぶ。時間の感覚ならリズっちがなんとかしてくれるから」
 なまじできそうなだけに末恐ろしい。 それにしても『せーちゃん』だの『リズっち』だの仲が大変よろしいことで。






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