SkyHigh,FlyHigh!
Part,12−3
「お初にお目にかかります」 所変わってここは城内。三人はシェリアの父親――ミルドラッドの領主と対面していた。 「リネドラルドの王から話は聞いておる。そなたはショウと言ったな。娘をよくここまで連れてきてくれた。例を言うぞ」 「光栄です」 正装をして使者らしくなったショウが例の形をとる。 その隣にはまりいがいる。彼女の場合持ち合わせがなかったためショウの服を借りる形となったが。 「お母様。こちらの方にもお世話になりましたの」 ドレスを着てすっかりお姫様然としたシェリアが笑いかける。さすが公女様。それまでの町娘然といった雰囲気はかけらもない。 「そうですか。そなたにも苦労をかけましたね」 「そんなことないです……」 二人と話せるようになったからとはいえ完全に人見知りがなくなったというわけではない。半ば消え入るような声で会話をしながらもまりいは一種の違和感を感じていた。 どうしたんだろう。この人達変だ。 確かに会話は成り立っている。だが何かが違う。まるで心ここにあらずと言ったような。 「長旅で疲れただろう。部屋を用意しているからそこで休むがよい」 「お心遣い感謝いたします」 ショウに肩をたたかれ、二人して例の形をとる。 「わたくし、二人をご案内します――」 「シェリア。あなたにはお話があります」 感情のない、淡々とした声。 「――わかりました」 こうして二人は公女様と別れることとなった。
過去日記
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