2010年05月15日(土) |
委員長のゆううつ。39 |
あたしは片親、お母さんと親一人子一人の二人暮らし。そのことを全くこれっぽっちも悔やんだことなんかない。 と言ったら嘘になるけど。それでも二人でやってきた。だって覚えてないものはしかたないし。親を覚えていない娘は薄情かもしれないけど、父親だってあたしに会いに来たこともないんだからお互い様だ。それに悲しいかな、シングルマザーは今時珍しい話でもなく。『あのヤロー、とっとと帰ってこい!』とか言ってる母親を目にすると、お母さんが怖くて逃げ出したんじゃとも思いたくなる。 「覚えてないからって、だからってあたしがその変なものだって決めつけないで」 「『神の娘』です」 横からカリンくんの横やり、もとい補足説明。 「それに、万が一そんな人があたしの父親だったらその人はとんでもない大馬鹿やろーです」 「リズさん。なんだか勘違いしてませんか?」 「何を?」 問いかけるとカリンくんは咳払いをひとつして説明してくれた。三つの世界があるということはさっき聞いたとして。その世界には、一人の娘さんと一人? の天使が存在する。言い換えれば、一つの世界に娘さんと天使がいさえすれば、他の存在はお払い箱ってわけ。 そんな中でも。 「うん。やっぱり『神の娘』だ」 リズさんだけは確信を持ってうなずいていた。
過去日記
2006年05月15日(月) 「EVER GREEN」9−1UP 2005年05月15日(日) 休日のしごと
|