2010年05月14日(金) |
委員長のゆううつ。38 |
話のスケールが大きすぎてついていけない。神様ってなんだ。ここはいつからキリスト教になったんだ。 「ライフォード教ですよ。もう一つの世界ではそう呼ばれてるらしいです」 横からカリンくんがフォロー。うん。この展開にももう慣れてきた。 話を要約すれば、『世界』と呼ばれるものが三つあって、神様がそれを自分の娘達に託したってことよね。それで、娘さん達は自分だけじゃ力不足だったから『天使』というものと一緒に世界を守って。寿命がきたから天使と一緒にどこかへ消えちゃった、と。 「そこでなんであたしの名前が出てくるんですか」 しごく全うな意見を口にすると、紫色の瞳が応えた。 「だってあなたが神様の娘だから」 「あたし、ここに来たの初めてなんです」 「うん。そうみたい。前に来てたらわたしが何か感じるもの」 神秘的な力か何かなんだろうか。あたしには全然わかんない。 「まってください。リズさん」 うん。待ってた。助け船のカリンくん。 「それが本当なら、どうして彼女は何も知らないんですか」 そうそう。 「どう見てもシホさんは僕よりもずっと年下です。ぼくやリズさん、マリーナさんのように数百歳というわけには見えませんが」 そうそう。 なんかとんでもないことをさらっと言われたような気もするけど。 「……確かに、あたしは片親で父親の顔は覚えてませんけど」 もれるような声に、リズさんはやっぱりという顔で。男性二人はぎょっとした顔をしていた。
過去日記
2006年05月14日(日) 母の日 2004年05月14日(金) 「EVER GREEN」5−15UP
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