つれづれ日記。
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2010年05月07日(金) 委員長のゆううつ。33

 あたし、高木詩帆はカナヅチではない。だけど、水深数メートルも息継ぎなしでいられるかとなれば話は別。
「…………っ!」
 苦しい。息ができない。昨日は霧で今日は水!? 一体あたしが何をどうしたっていうの!
「詩帆、詩帆」
 あたし、こんなところで死にたくない。しかも水死なんてもってのほかだ。顔だってふくれるって聞くし見た目だってぐろいって聞いた。
「詩帆ちゃん!」
「わーーーっ!」
 先輩の声にあたしの拳が重なる。ぐーだったからバキっという音がした。
「いったいなぁ。君、ぼくになんか恨みある?」
「あたしのサンドイッチ食べた!」
 ほおをさする先輩に目をつり上げる。そこまでむくれなくてもと続けて聞こえたけど無視することにする。
「シホさん、シホさん」
 ためらいがちな声。何度もあやまられたって許してやるもんか。
「着きましたよ」
 許さな……え?
「カリン……くん?」 
「迎えに来ました」
 翠玉の瞳が穏やかに微笑んでいる。ここまできて、ようやくあたしは息をしていることに気がついた。






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