2010年05月06日(木) |
委員長のゆううつ。32 |
「水ですけど」 「うん、水」 正確には湖みたいだけど。 「じゃあ行こっか」 「行くって」 目の前には霧。下には湖しかない。先輩の指は下を指している。ということは 「まさか、この格好で水に入れってこと!?」 「ご名答」 あたしの声と先輩の声が重なる。 「先輩からどうぞ」 「ありがとう。でもぼくは紳士だから。レディーファーストさ」 どの口がそう言いますか。 「人のサンドイッチを横取りした人が何を言ってやがりますか」 「君って意外に乱暴な物言いするよね。はじめはもっとおしとやかな感じだった気がするけど。もしかしてこっちが地?」 その一言に。自分がかなり取り乱していたことに気がつく。 「人は、時には臨機応変に対処する必要があるんです」 言葉をにごして返すと先輩はうーんと腕組みをした。 「本当は手荒なことはしたくなかったけど」 「ちょ、先輩!?」 「臨機応変、臨機応変」 慌てるあたしをよそに先輩はあたしごと、どぷんと水に飛び込んだ。
過去日記
2006年05月06日(土) 分析結果 2005年05月06日(金) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,54UP。 2004年05月06日(木) 仕事について。その2
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