2010年05月04日(火) |
委員長のゆううつ。30 |
「ごちそうさまでした」 空になったお皿をテーブルにもどす。 「今日は何をするんですか」 「言ったでしょ。地球の帰り方を知ってる人を紹介するって」 確かに言ったような気がする。泣き疲れてふて寝して。その後に。 「元にもどれるまで、でしたよね」 「そうそう。ぼくは約束は守る人間だから」 それはありがたいことで。 「ん? 詩帆ちゃん顔赤くない?」 「気のせいです!」 はいはい。ちょっとでもどぎまぎしたあたしが馬鹿でした。 「それで。その人はどこにいるんですか」 部屋にはあたしと先輩の二人だけ。料理をしてくれたカリンくんは近くにいるだろうとして。他に手がかりを知っていそうな人っていたかしら。 もしかすると隣の部屋にいるとか。ドアを開けるけど、もぬけの空だった。 「もしかして、ここに来てるとか思ってない?」 「違うんですか?」 小首をかしげると先輩は部屋の外を指さす。部屋の外には昨日と同じ、真っ白な霧が広がっている。たぶん、紹介したい人はここの外にいるんだろう。 ということは、もしかしなくても。 「またあの霧の中を歩けってことですか!?」 「ご名答」 あたしの反応が面白かったんだろう。先輩はそう言って笑った。
過去日記
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