つれづれ日記。
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2010年04月28日(水) 委員長のゆううつ。24

「責任感じてるから言ってんじゃないか。こういう時は素直に守られておきなさい」
 毛布の上からでも先輩が苦笑してるのがわかる。

「委員長じゃないです」
「だってイインチョウだって自分で言ったじゃないか」
 そうだけど。そうじゃない。
「高木です。高木詩帆」
 学校では委員長だと認めたけれど。こんなわけのわからないところまで委員長よばわりされてもたまったもんじゃない。
「ぼくも先輩じゃないけど」
 そう言えば、今まで先輩としか呼んだことなかった。今さらながらにその事実に気づく。
「先輩の名前って何でしたっけ」
「ひっどーい。あれだけ一緒の時間をともにしたのに」
「誤解を招くような発言はやめてください!!」
 毛布の中から怒声をあげるとその調子とけらけら笑われた。なんだか始終先輩のペースに乗せられてる気がする。
 黙っていると、ぽんぽんと毛布の上から頭上に手をのせられる。
「おやすみ。詩帆ちゃん」
「おやすみなさい。……セイル先輩」
 ぱたんとドアの閉められた音がしたのを確認すると、はじめて毛布から顔を出す。
 なんでかわからないけど見ず知らずの場所にいて。目の前には顔見知りの先輩がいて。元にもどるまでの間、先輩は自分を守ると言ってくれた。
 顔見ておけばよかったな。案外真面目な顔してたのかも。
 なんて現実逃避していても駄目なんだよね。
「……寝よ」
 さっきよりもさらに毛布を深くかぶり、その日は体力保持に努めたのだった。






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