2010年04月27日(火) |
委員長のゆううつ。23 |
ありったけの絶叫の後には何もすることはなく。男子二人を追い出し一人毛布にくるまる。ここって毛布やベッドもあったのね。地面に寝そべるレベルの生活水準じゃなくてよかった。そういえば、そもそもここって異世界とやらのどこなんだろう。 「起きてる?」 ためらいがちなノックの後、ゆっくりとドアが開く」 「死んでます。入ってこないで下さい」 「起きてんじゃん」 入ってきたのは銀色の髪の男子。 「なんだかややこしい話になっちゃってごめんね」 声には覇気がない。少しは責任を感じてるんだろうか。 「まさかそばにいただけでこうなるとは思わなかったからさ。ほんとごめん」 まったくもってその通りなので返事の代わりに毛布を頭からすっぽりかぶる。 「地球の帰り方を知ってる人には明日会えるよ。ぼくが手配しておいた」 これも当然のことなので返事をしないでおく。 「ちょっと時間はかかるかもしれないけど。それまで委員長はぼくが守るよ」 頭上で声がする。真面目で透き通った声。 「ん? 何?」 身じろぎしたのがわかったんだろう。先輩が問いかける。 「そういうことは好きな人にでも言って下さい」 そう返すのが精一杯だった。
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