2010年04月15日(木) |
委員長のゆううつ。13 |
授業を受けてきて下さいとは言ったものの。 あれで素直に言うことを聞いてくれたとは思えない。 「なんでここにいるんですか」 「君が言ったんじゃないか。ジュギョウを受けてきたらここを案内してくれるって」 学校の裏庭。教室と売店との中間地点で。プラチナブロンドの男の人は先日と同じ格好で寝そべっていた。 「先輩」 「そう、それ!」 ぱっと顔を輝かせて指をならす。 「その響きっていいね。新鮮だ」 あたしにとっては新鮮でもなんでもないけれど。それとも外国じゃあ先輩後輩って間柄はないんだろうか。生まれてこのかた十五年と少し。日本生まれの日本育ちのあたしには全く理解できない。 「じゃあ、さっそくお願いしますよ。先輩」 嬉々として声をかける先輩に今度はあたしが目を白黒させる。 「私がですか?」 「ここについてはぼくより詳しいんでしょ?」 そう言って片目をつぶる。確かに案内すると言ったのはあたしだし、授業を受けてくださいと言ったのもあたしだ。もっとも後者は普通にうけてもらいたいものだけど。 「わかりました。着いてきて下さい。後輩」 先輩にならい、そう言って息をついた。
過去日記
2007年04月15日(日) 「EVER GREEN」11−10UP 2006年04月15日(土) ありがとうございます 2004年04月15日(木) 「EVER GREEN」5−11UP
|