ちりん。 風鈴は相変わらずゆれていて。
こいつと出会ったのもこれくらいの暑さだったよな。 そんなことを考えながら俺は大きくのびをした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「お兄さん」 呼び止められたのは夕暮れだった。 「そこのあんただよあんた」 週末の金曜日。近所の店で食材、日用品もろもろを買い込み家路をたどる途中のこと。 タイムセールに間に合ってよかった。今日は豪勢に目玉焼き丼でも作るか。それとも野菜炒めにでもするべきか。 「そこの背の高い兄さん」 明日は休みだから遅くまで寝ていられる。帰ったらゲームでもするか。 「だから。そこで買い物袋下げてる背の高い兄さん! あんただよあんた!!」 そこで、ようやく声をかけられていることに気づいた。 振り返って視線があったのは道ばたに座る、笑みを浮かべた中年の男。 「あんた。一つ買ってかないかい」
過去日記
2006年03月06日(月) ただいま 2005年03月06日(日) 「SkyHigh,FlyHigh!」Part,45UP 2004年03月06日(土) SHFH10−6
|