2008年02月05日(火) |
02. ロマンス・グレー(中年男性の白髪まじりの頭髪のこと)のおじさん |
「『わせいえいご』ってやつらしいぞ。他にはフリーターとかシュークリームとか」 「だんだん話がそれてるからそれくらいにしとけって」 苦笑する師匠に弟子はつと顔をあげた。手にしていたのは国語辞典。どうやら学校の課題の途中だったらしい。 じっと見つめあうこと数秒。 弟子はふいに視線をそらし大きくかぶりをふった。 「何」 「いや。ええと」 国語辞典を床に置き、口を開こうとして。 「やっぱいい」 「そこまでされると余計気になるから」 答えを促されると弟子はしぶしぶ口を開いた。 「『ろまんすぐれー』ってつまるところ、白髪まじりの頭髪のおじさんってことだろ?」 「端的に言えば」 「だから」 そこまで言うと弟子は再び口を閉ざした。変わりに向けられたのは痛切な視線。まるで口にするのをはばかられるような、触れてはいけないものに触れてしまったような。そんな眼差し。それが自分に、正確には自分の図上に向けられているのは師匠の気のせいか。それとも。 長い長い沈黙の後もれた言葉は。 「……がんばれ。師匠」 「待て! 今のはなんか聞き捨てならねー!!」
師匠邸は今日も平和だった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
確かこれって人物描写のはずだったかと。 全然できてませんね。
ちなみに二代目師匠は今のところ大丈夫です。あくまで今のところだけど。
過去日記
2004年02月05日(木) 「EVER GREEN」5−1UP
|