2004年07月19日(月) |
苦しむ我が子、限界のスタミナ |
「お母さんっ、フラフラするよぉ」 悲鳴のような叫び声を上げて泣くサトの 差し伸ばされた手を取って 「どうした?気分悪い?吐きそう?」 問いかける私に、「違うよ、違う...」 小さく首を左右に振って涙を流して泣くサト。 「どこか痛いの?頭がフラフラする?」 様子を伺いながら問いかけを続ける私の目の前で ベッドに横になっているサトがうわ言のように言うの。 「自転車が...自転車のタイヤがフラフラする。フラフラするよォ...お母さんっ!!」 私に語りかけているのに、目は閉じたまま涙を流して訴える。 「大丈夫だよぉ、サト。もう自転車には乗ってないよ。 今は病院のベッドの上だよ、お母さんも傍にいるから 何も心配はいらないよ。自転車はお家にしまってあるからね。 サト、怖くないよ、大丈夫だよ」 手を何度となく握り締めて穏やかに声をかけると サトはそのまま寝息をたて始めた。
夢にまでうなされてるんだ、この子は。
今日も食事は取れず、寝ている時以外はずっと不調が続いていた。 付き添いをする私も、二夜ともまともに寝てなどいない。 グズついたことに気付いて目覚め時計を見れば さっき横になった時からわずか15分しか経っていないなんてザラだった。 私より辛いのはこの子の方だ!! いつもそうやって意識を奮い立たせていた。
そんな朝も日が高く昇った頃に自宅にいる旦那さまからメールが届く。 「ごめん、寝坊した。これから仕度して10時頃行きます」と。 眠る事すら自由にならないこの状況。 仕事明け2時間の睡眠だけで、その後2日寝ようにも眠れない状態でいるのに 相方が寝坊した連絡なんて、受け取っても面白いわけがない。 溜まってるストレスのはけ口は旦那さまに向けられた。
付き添いを交代してもらって昼間自宅に戻っても シャワーを浴びて足りないものの買い出しに出かけてしまえば あっという間に2、3時間経過。 おまけに病院でおとなしくしているのは無理だろうと チビ助のユキを連れての帰宅ともなれば 「お母さん、お母さん」と笑顔でまとわりつくユキを 放って仮眠を取るというのも無理な話で。
病院に戻った私がこの上なく不機嫌で 「だったら2時間でも3時間でも帰った時に寝ればいいじゃないか。 今からもう一回行って寝て来い」と すごく冷めた言い方で顔を背ける旦那さまに 「中途半端な時間だけ交代して寝ろというくらいなら 自分が泊まってくれればいいじゃない。 そしたら私、自宅でゆっくり眠れるから」 病室の中なのに大声で訴える。 「今日は僕が泊まるからゆっくり寝ておいで」 と言えるだけの優しさはないのか!!あまりに冷たいわ。 眠れないイライラと、サトの症状が何も回復しないのと、 眠りたいのはやまやまだけど ユキにだって淋しい思いさせちゃってるからと思えばこそ 帰った時くらい遊んであげよう、と時間を費やすジレンマと。 とにかくイライラが重なって口に出してみたくなった。
痛み止めと吐き気止めの点滴を受けて 少しサトが落ち着いたその昼間の時間だけ病室に来て たかだか3時間程度交代してくれたくらいで 何をしてくれた気になっているんだろう、この人は。
言えばわかってくれるんだけど、 言わなきゃ気付いてくれない人なんだ、時々。 肝心な時に限って、ね。 ヘトヘトになってるのは身体じゃなくて心なんだけど。 休息すらくれない。
結局、昼過ぎに怒らせて帰してしまった旦那さまは 消灯時間間際に病室へ来て「今夜は泊まるから」と 深夜の付添いを交代してくれたのだけれど。 何だか、気分的に素直に喜べる程ではなかった。
その夜のサトは、比較的落ち着いて眠っていたらしい...。
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