2004年07月18日(日) |
眠れない夜、付添い看護 |
傷みと激しい吐き気で、浅い眠りから覚めてはグズるので ウトウトしかけると起こされる状態が 消灯時間からずっと続いて結局朝を迎えた。
頭部強打で急変の可能性も有り、と 言われていたこともあって 緊張感と睡眠不足で目覚めても疲れが抜けていなかった。 「暑い」「寒い」「痛い」「気持ち悪い」 「吐きそう」「目が回る」「ふらふらする」 色んな言葉で苦痛を訴えるサトの 症状が落ち着くと時々聞こえる静かな寝息に こんな小さな身体にどれほどの苦痛が覆いかぶさっているのかと思うと やりきれなくて涙が出た。
「お母さん、トランプやろう!!」 昨日、映画から帰った後で 旦那さまがユキを連れ出して買い物に行った直後 サトがこう言って私を誘った。 映画館で買ったポケモンのトランプを嬉しそうに手に持って。 ただ、さすがに深夜から早朝までの仕事明けに 映画館へ出向き、午後も1時を回っての帰宅だったので 眠さには勝てず、「起きたらやろうね」とあっさり断って 寝る仕度を始めてしまった私。 つまらなそうに口を尖らせながらも 「じゃ、起きたら絶対だよ。ボク今から学校行って遊んで来るね」 と、素直に私の都合を受け入れてくれたサト。 いつものように家の鍵とピッチを持って ヘルメットをかぶり「行って来まぁ〜す♪」と玄関へ向かうサトに 「気をつけてね」といつも通りの言葉を掛けて寝室に入った。 ベッドに倒れ込むとすぐに眠りに引き込まれ、 その2時間先に鳴り響く携帯の呼び出し音も 間近にけたたましくなる救急車のサイレンの音にも気付かず深い眠りの中にいた。 目覚めたのは、旦那さまの怒鳴り呼ぶ私の名と 信じられない出来事の状態を聞いたその時。
病室にいて、ほんの時折しか見る事の出来ない寝顔を見て思う。 あの時、私が誘われたトランプ遊びに快く承諾して サトと一緒の時間を過ごしていれば... もしかしたらこんな事態を引き起こすことはなかったかもしれない。
赤黒く荒れ上がった痛々しい目元や 細い腕に外れない様テーピングされた点滴のチューブ。 何で今こうしてココでこの子は横たわっているのだろう... 顔を覗き込めば涙で輪郭が滲んでいく。 点滴をしている左手をそっと握って「ごめんね、サト。ごめんね」 ポタポタとシーツに落ちる涙をぬぐうより、 とにかく少しでも早く回復するよう祈るしかなかった。
今日も苦しそうな表情で訴えるサトの背中を トントンと何度となく叩いたり摩ったり ただそれだけを繰返して時間が過ぎて行く。 動く事もままならない状態で、苦しみながらも 「お腹が空いた、何か食べたい」と泣きながら訴える。 彼が口にする事を許されているのは水分だけだった。
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