映画に行ったのよ、子供達のたっての希望で。 今日から上映開始のポケモンの映画を。 だって仕事明けて帰ってきたら ふたりとも早起きして待ってるんだもん。 寝るわけにもいかなくて行ったわよ、睡魔と戦いながら。 しかも普段なら車で行く距離の映画館。 旦那さまが車を通勤に使っているので 移動手段は自転車と電車。 映画館への最寄り駅で下車したものの タクシーはつかまらず、バスも出た後で 仕方なく30分も歩くことになったり。 映画観るまでにすっかり体力消耗よ。
上映開始10分前に映画館に到着。 開始時感ギリギリに入場で、席も悪い状態なのに子供達は大満足。 封切りして一番に観られたと、はしゃぎながらも 画面に釘付け。夢中になって観てました。 私は...いい感じで寝たわよ、半分くらいはね(笑)
映画のキャラがついたグッズを嬉しそうに買って 帰りは贅沢にも乗車した駅までタクシーで帰ってきて あとは自転車で自宅まで楽々帰宅。
夜勤明けで寝ていた旦那さまが起きて来て 「買い物に行きたいからみんなで行こう」 なんて声を掛けてくれたけど、私はもう眠さの限界。 寝かせて欲しいと懇願して留守番することに。 サトも外に遊びに行きたいからと買い物を拒んだので ユキを連れて旦那さまは買い物に出かけた。 遊ぶと張り切っていたサトも いつの間にか小学校へ出かけて行った。
私、午後2時就寝。
ところが、午後4時半。 旦那さまに叩き起こされたの。 「何で携帯何回も鳴らしたのに通じないんや!!」 急に起こされてポカンとしている私に 「着替えて早く外へ来い」と怒鳴る。 「何?どうしたん?」 まだ半分寝ているような私の耳に 次の瞬間信じられない言葉が飛び込んだ。 「交通事故や。サトが車に跳ねられた!! 学校の門の前だ。着替えたらすぐ来い」 眠気が一気に吹っ飛んだ!!
着替えて現場へ駆け付けると 目に飛び込んだのは救急車と人だかり。 家からあまりに近い距離だけに ご近所の知った顔もたくさんいた。 旦那さまが救急隊員と話をしている。 背後から近付くと救急車の中からサトの泣き叫ぶ声が聞こえた。 「痛い〜〜〜〜っ!!痛ひぃ〜〜〜っ!!」 顔面におびただしい血。 『あぁ、ウチの子だ』 着替えをしている時も、子供を見た瞬間も、 何故か妙に冷静で、まるで夢を覗いているような感じだった。
「市立病院が取れましたのですぐに出ます!! どなたかご同乗されますか?」 ドアから顔を出した隊員が私のすぐ横で叫んだ。 旦那さまから私に乗るように指示が出る。 「保険証、あった方がいいですか?」 急を要する時に、私ってば何聞いてるんだろう。 そんなの後でどうにでもなるのに...。 どこかで自分を客観視しながら 家にバックを取りに帰る余裕。 やっぱり気が動転してるのか。
救急車に乗り込んで病院に着くまでの わずか5分程の時間にも妙に静かに声を掛けていた。 私、やっぱり変だ。
自転車で道路を横断中、走って来た車に跳ねられたのだそうで 飛ばされて地面に叩き付けられたようなので 頭部を強打している可能性もある、と車中で説明を受けた。
病院について救護室に通されると タンカから診察台へと移された子供の顔を 初めてじっくりと見る事ができた。 まぶたがパックリと裂け、目を閉じる度 血がしたたって落ちる。 先生の診察を受けながら、サトをなだめるように 相変わらず静かに言葉を口にする私。 私がパニックになったらサトが余計に動揺する。 そんなふうに思ったのかもしれない。
病院に追って駆け付けた旦那さまと 待ち合い室のイスに腰かけながら 止血の為に縫合に入った救護室からの サトのけたたましい泣き声を聞いている時も ユキに笑顔で接する自分があった。 「どうしよう」とかそんな動揺よりも 『やっぱり起きたんだ』 一瞬そんな気持ちが過った。
サトの名を見て改名をすすめた人に ちょっと以前にそういう警告を受けていたから 気持ちの準備が出来ていた、といったところだけど。
その後の検査で、とりあえずレントゲンにもCTにも 骨折や外傷はいくつもあるものの 重症となりうる問題点は今の所見当たらないという診断を受けた。 ただ、頭を打っていることから しばらくは安静にして様子を見ることになった。 ナースステーションのすぐ横。 集中治療室にて面会謝絶の札を下げられた。 入院。 不安な一夜を過ごすことになりそうだ。
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