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4日目


き、気持ちが悪い〜、私、昨日そんなに飲んだっけ?と思いつつ目が覚めたのは、まだ夜も明けきらない早朝のことでした。もちろん断食中に酒など飲んでいるはずもなく、すぐに断食反応だと気がついたのですが、だすものもない空えづきはとてもつらく…。

明かりをつけて、事前に教えられていたとおり薬草茶を少し飲んで、梅干しを口に含んでいると吐き気は徐々に落ち着いてきました。が、それがやっとおさまると、今度は動悸が激しくなって、冷や汗が…。

すぐにベットに横になり、大丈夫、大丈夫、大丈夫と自分を落ち着かせていると、だんだんと心臓の鼓動も落ち着きを取り戻してきたようだったので、安心してうとうとし始めると、襲ってきた激しい頭痛と右目奥の鈍痛に目が覚め、結局朝まで寝付くことが出来ませんでした

そうこうするうち、8時の気功体操の時間になり、ふらつく足で手すりにすがりながらよろよろと階段を降ります。
これが断食反応か…。確かに、すごくつらいです。

単に手足をぶらぶらさせていただけの気功体操後、部屋に戻り、ビネガー酵母液を飲むと、やっと少し気分が落ち着きました。頭痛も、我慢できないほどではありません。まだ力は沸かないものの、朝ご飯のことを考えると、少しづつ、気分が高揚してきます。

そう、今日は夢にまで見た、補食開始の第一日目なのです。うれしいよ〜!!!(小躍り)

時計の針が10:00ジャストを示すと、いそいそと階段を食堂へと下りてゆきました。階段の途中から、もうすでに、暖かい、いい匂いが漂ってきています。食堂の扉を開けた途端記憶によみがえってきたのは、子供の頃に泊まりに行った朝の、おばあちゃんの家の台所の匂いでした。ガラガラってする引き戸が似ていたせいかもしれません。

指定された席について待っていると、やがてお盆の上に載せられた朝ご飯が運ばれてきます。


断食ブレイクの1食目は、重湯、野菜スープ、梅干し一個。
48キロカロリー


食事を目の前にして、思わず手を合わせそうになりました。が、なんだか気恥ずかしくて結局そうすることはせず、重湯のおわんのふたを取り、まずはゆっくりと心ゆくまで香りを楽しみます。

これ、本当に食べてもいいんですよね?

あわてるなと自分に言い聞かせ、まずはお茶で気分を落ち着けます。そのあとに、野菜スープを一口。野菜だけで煮出された、混じりけのない滋味を含んだ甘みが舌の上に広がります。その瞬間、全身の細胞が一斉に反応したような気がしました。磁石に砂鉄が吸い付くような感じ。

その後で頂いた玄米の重湯は、とろっと淡泊でほのかに甘く、口の中は、ほとんどワインのテイスティング状態です。

一さじずつ時間をかけて、ゆっくりと頂きます。少し遅れていらした隣の方は、運ばれてきたお椀を前にとても自然に手を合わせ、一礼してからお椀のふたを取っていらっしゃいました。

普通に3食とっている方から見れば、そんなの食事じゃないよというメニューにもかかわらず、同じテーブルについていらっしゃる方達と、おいしいですね〜、生き返る心地がしますよね、などという言葉をかけあいながら、大切に大切に味わいます。

私と同じテーブルに着いていたのは全部で6名で、この方達とは同じ日に断食を始めていたのでお顔は知っていたものの、いままで親しく話す機会もなかったのです。それが、食べ始めると同時にすっかりとうち解け(ものの3分ですよ…)その後は、にぎやかにおしゃべりが始まりました。

断食中のつらかったことや、今まで自由時間に行ってみた観光地のこと、断食が終わったら食べたいもののことなど、話題が尽きないのです。会話って、食事をさらに美味しくさせる大切な要素なのだなと、しみじみ。

お食事をおえて「お先に〜、また夕食の時に」(夕食、なんて素敵な言葉!)と声をかけ、部屋へ戻りました。今日の理学療法は午後からなので、それまでの時間を、本を読むことに費やします。

理学療法を受け、部屋に戻るともう2時半。日中はお散歩が奨励されているのですが、5時からのお夕食に遅れてしまうと困るし。というわけで、この後はコインランドリーに洗濯物をつっこみ、戻ってくると持参したキリンジビデオを鑑賞です。あぁ、心がうるおう……。(←興味ない方、この辺読み飛ばして下さい)

その後は、朝の続きの読書を開始。はっと気がつくと、5時を少しまわっていて、あわてて食堂へと降りてゆきます。

夕食のメニューは、朝と殆ど同じですが、梅干しが2個に増えていて、野菜スープにはお麩が2つ浮かんでいます。あぁ、具が入ってる…。


お麩二つと梅干しが1個増えて、60キロカロリーになりました


冗談かと思われるかもしれませんが、同じテーブルについているメンバー、このご飯を30分近くもかけて食べてるんですよ。

このお夕食を食べながら、歯の役割を久々に思い出していました。お麩をお箸の先で小さくちぎって、その一片を口に運び軽く奥歯で押しつぶすと、まず野菜スープがじわ〜っとにじみ出て、そのスープの味がなくなると、お麩そのものの味が、口中に広がるんです。それをきゅっ、きゅっ、きゅっと噛んでごっくん。私、今までお麩なんて殆ど噛まずに飲み込んでいたかもしれません。

テーブルにお一人、リピーターの方がいらっしゃって、今回はお食事の間、その方に色々と質問が飛びました。どうしてもう一度来ようと思ったんですか?断食の後に、体重がリバウンドしたりしませんでしたか?まだ実感がないんですけど、肌がキレイになるって本当ですか?などなど。どの質問にもその方は丁寧に答えて下さり、聴き入る断食初心者一同。

前回の断食の体験から、家に戻った後のことや、断食後に気をつけなければならない事等、いろいろと話して下さいました。

部屋に戻ってしばらく日記を書いた後はお風呂にGO!今日ものんびり長風呂堪能です。

お風呂の後は、まだそこはかとなく続いていた頭痛もすっかりとれ、久しぶりにすっきりとした気分。これから眠たくなるまで本を読んで、寝て起きたら朝ご飯ですよ。嬉しいなぁ。

2004年05月03日(月)
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