新・よりぬきオゲ井さん
クズんなってGO!

2002年04月04日(木) 願わくば桜の下にて夢十夜

ごうごうと、ごうごうと、
春の嵐は一夜にして花びらをみんな散らしてゆきました。





先刻ほんの3メートル程前進したきり、それからどのくらいの時間が経過した事だろう。
バスはいっこうに動く気配なく、乗客のイライラは車内の空気をどんどん淀ませてゆく。
と、とつぜん、バスは規定の路線を外れ、渋滞を外れ、いつもと違う道へと走り出した。
あまりの渋滞に業を煮やした運転手が、気を利かせて裏道でも通ってくれるのだろうか。
しかし、それにしては向かうべき方向からあまりにも外れ過ぎてはいないか?
不審に思った乗客の1人が運転手に問う。運転手は答えない。
べつの乗客が詰め寄る、やはり彼は答えない。
次第に不満と焦燥と不安につつまれてゆく乗客。

すると、窓の外に景色が広がる。
それは、小高い桜の丘の上からキラキラと光る春の海を見下ろす、
涙が出るほど美しい景色だった。






袋の底を覗いたら
猫の顔があった
おどろいて
隣で寝ている猫を見たら
顔がなかった
顔のない猫は
目のない顔で
私の顔を見て
口のない顔で
ニャアと哭いた






桜の木の精に喰い殺されてしまえば好かったのです。

桜の様な少年が居りました。
お笑いになりますか、お笑いになりますね、
けれど、
ほんとうに、
まるで桜の精に魅入られたかのような、
少年が、居りました。

漆黒の髪と眼と、それから、しろいまぶたを縁どる睫は
濡れて黒く光る幹の様。
するりと滑る柔い頬はうすももいろの花びら
くちびるは赤い実。

お笑いになりますか、お笑いになりますね。
けれど
しろいしろい月の光と、土中の死びとの血が少年の糧。
どろどろ、どろどろ、と、きれいにわらいました。

そんな、桜の様な少年が、居りました。

居りました。

お笑いになりますか、お笑いになりますね、
ええ、ええ、そのとうりで御座居ます、
魅入られていたのは、

悪い毒を吸って、枯れてしまう前に
桜の木の精に喰い殺されてしまえば好かったのに。
さもなくば、
さもなくば、

くびり殺して、
埋めてあげれば好かった。


お笑いになりますか、お笑いになりますね、










春ですなあ。
えー、春眠暁を覚えずともうしまして、
つい、ウトウトしてこんな夢ばっかりみるのは良いんですが、
今年の風邪はこれまた異様にしつこく、
目を覚ませばたちまち寝冷て、エッークショイチクショーズビズバーで御座居ます。
ちなみに関東地方は昨夜からずっと強風が吹き荒れていて、
ウチの前の山の杉の木がユッサユッサ揺れまくって、
山全体が白っぽく煙っていたのですが、あれはもしやメチャメチャ花粉なのかしら?

そんなかんじで春爛漫、ゲロお耽美は御愛嬌てことで。テヘ。


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