Mother (介護日記)
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2003年11月27日(木) Sさんのお父さんの通夜

今夜はSさんのお父さんの通夜に行って来た。

Sさんはやはりお父さんのご遺体を搬送し、
親戚が待つ地元のホールで葬儀を行うことにした。


ホールは、支店の最寄り駅から電車で1時間半、タクシーで5分の距離にある。

うちの支店からは、当然のことながら支店長が通夜に行くことになっていた。

月末週なので、行員は終業時間も遅くて行けそうにない。
パートも皆それぞれに家庭の事情があって行かれない。

そこで、以前勤務していた隣の支店も含めた有志から集めたお香典を
支店長に代表で届けていただくようにお願いすることになった。

しかし・・・
同僚が肉親を失って悲しみに暮れていると言うのに、お金を預けるだけで良いものだろうか?



  *  *  *  *  *



私は、以前通夜に行かなかったことを未だに後悔している。

前に勤務していた支店の女子行員の、同居していたおじいさんが亡くなった時、
「みんなはお通夜に行く?」と行員のひとりに尋ねた。

「亡くなったのはおじいさんだし顔も知らないのだし、行かなくてもいいんじゃないですか。
 もし行くようだったら、連絡します」 と言われたので、パートの私は帰宅した。

この時『一般的には“故人と面識があるかどうか”が基準なのだな』と思った。

その後連絡がなかったので、当然みんなも通夜には行かなかったのだと思っていた。

ところが数日経ってから
「このたびはおじいさんのこと、いけませんでしたね」と言ったら、
「みんなに来てもらって本当にありがとうございました」と言われてビックリした。

え? みんなは行ったの?
一番近所である私が行かなかったなんて・・・
どうして連絡してくれなかったの? と言いたいところだがもう遅い。


そのことがあってから“人に頼らず自分で判断しよう”と誓った。




Sさんの場合は半年前にお母さんが他界しているので、
今回のお父さんとのお別れは重要な意味を持つ。


私は、母の葬儀の時に駆けつけてくれた人たちにとても感謝している。
葬儀は、結婚式と違って突然なので予定が立てられない。
しかも面会できる時間が少ない。
それでも来てくれた人がいたことがうれしかった。


私の従姉妹も友達ののらさんも、
お父さんの葬儀を経験していたからこそ、何をしたら良いのか心得ていたのだろう。
私はその恩返しを他の人にしていきたい。


しかし通夜に行ったからとて、家事が苦手な私なんぞは何の役にも立たないことはわかっていた。


ホールに到着したのは19時過ぎで、既に親族の方々もお帰りになるところだった。
そのおかげで、Sさんとも少しお話しができたのだが・・・

結局、私は気の利いたことも言えず、一緒に泣いてあげることもできず、
ヘラヘラ笑って帰って来てしまったので、出かけて行った意味があったのかどうかは不明。
顔を見るだけで伝わるものっていうのがないだろうか・・・


幸い、Sさんは泣きはらしたようでもなく、顔の色艶も良く元気そうだったので安心した。
もちろん今はまだ緊張の中にあり、疲れが出るのは葬儀の後であるが・・・


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