Mother (介護日記)
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気持ちの良い秋晴れとなった。
持ち物は、印鑑証明書・戸籍抄本・実印、 それに、お供物のアサヒ本生135ml缶、フルーツみつ豆缶、梨、 お線香セット(線香・ロウソク・マッチがケースに入っている)。 お花と日本酒は、霊園の中で買うことになった。
8時に出発。
叔母を迎えに行き、霊園到着が10時20分。
メインの駐車場で義兄夫婦と待ち合わせ。 さすがにお彼岸のお中日とあって、たくさんの車。
5分も経たぬうちに合流。
霊園では、お彼岸の期間中に限り、駐車場に味噌おでんやフランクフルトなどのお店が出ている。 母は、ここの味噌おでんと、ジャガバターが大好きだった。 (注:ジャガバターは、かわをむいたジャガイモにホットケーキの元をつけて油で揚げたもの)
そのことに気付いた絹江が、 「そうだ!おばあちゃんにじゃがいも買って持って行ってあげよう♪」と言い出し、 さっそくテントに向かい、ジャガバターを買ったのだが、 なぜか、その数は人数分あって、笑った。
母にとっては、いつしか父の墓参りよりも、これらを食べることの方がメインになっていた。 父の没後30年ともなれば、そのくらいの気持ちで良いのだろう。
そう言えば墓参の時、母のバッグの中には毎回、飴玉が入っていたし、 絹江にもちょっとしたお菓子を用意してくれてあって、 ちょっとした遠足気分であったに違いない。 私たちは去年まで、墓参以外に母をどこかに遠くに連れて行ってあげるということが ほとんどなかったからだ。
母は、霊園が近くなると必ず「今日は、じゃがいも売ってるかな?」と聞くのだった。 それは、何度か、お彼岸の時期をずらして墓参に行ったことがあって、 ジャガバターが食べられないという苦い経験があるからだった(^_^;)
今日は、6個のジャガバターが一旦墓前に供えられ、1分後にはみんなの口に入った(笑) 母の目の前で自分達だけ食べていることが、ちょっとだけ後ろめたかった。
母は、きっと、 「あら、私の分はないの?」と言い、 「今、食べたばっかりじゃん」と私たちに諌められ、 「あら、そうだったっけ? 腹ん中入ったらす〜ぐ忘れちゃう」と言って大声で笑ったことだろう。
近くの水道からたくさんの水を汲んで来た。 花筒をゆすぎ、買って来たばかりの生花を活け、 両脇に植えられた草花に水をやり、墓石に水をかける。 墓石が傷むことから辞めるように言われていることだが、 父の遺言に従って毎回、日本酒を掛ける。
そして、持参した缶詰や果物を供え、線香をあげた。
線香は毎回、霊園内で買っていたので気付かなかったのだが、 持参した“お線香セット”に入っているのは家庭の仏壇用であり、 細くて短く、燃えるのが速いということがわかった。 また、短い分、香炉に供える時にヤケドの危険も大きくなると思われる。
葬儀の後、お寺さんから戴いたお線香が、確か長いものであった。 そうか、あれが墓参用になるのか・・・ 次回、あれを持って行くことにしよう。
今回の墓参では、墓所の権利譲渡の手続きをすることになっていた。 必要な書類は、義兄・私ともに揃っており、無事に終了した。
時計を見るとちょうど12時。 レストランは混雑しているようなので、簡易食堂にて昼食。
食べたばかりで、やや混んだ道路をのんびり走っていると眠くなる、眠くなる。
私は後ろの席で叔母と話をして眠気をごまかしていたが、助手席の絹江は爆睡モード、 運転席のバックミラーでレフティーを見れば、今にも閉じそうなまぶた。 危険なので、何度か停車して30分でも寝たらどうかと勧めたが、 アニメソングなどを歌いながら、なんとか叔母を送り届けた。
その後、通り道のスーパーにて買い物をして帰宅。 往復5時間の運転に、さすがにレフティーもグッタリ。 現在も爆睡中。
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