Mother (介護日記)
Index|Yesterday|Tomorrow
義兄夫婦と相談して墓参を23日と決めてあったものの、台風の進路が気に掛かっていた。
昨日の昼間は風雨が強かったし、気温も急激に下がっていたので、 あまりお天気が悪ければ、延期もやむなしか・・・と。
でも、幸い台風が海上を進んでくれたので、昨夜のうちに雨は上がり、 前回のように電車が止まることもなく通常に出勤ができた。
そして、明日の墓参は予定通りに決行。
私はすっかり忘れていた。 今回の墓参で、墓所の権利の譲渡の手続きをすることを。 そこで、今日、あわてて仕事の後、印鑑証明と戸籍抄本を取って来た。
少し前、義姉から電話があった時、義兄の戸籍を遡って取り寄せたとの報告を受けていた。
私と義兄は腹違いの兄弟であり、 墓所の権利者である母と継承者である義兄は、戸籍上、養子縁組をしていないため、 「他人」の扱いであるため、権利譲渡に関しては通常の相続よりも面倒なのである。
そこで、墓所の権利者である母の相続人である私と、 義兄との接点を証明する戸籍が必要になってくるというわけなのだが。
義兄が取り寄せた戸籍には、 父と義兄の母が結婚したこと、生まれた子供のこと、離婚したことが書かれていたらしいのだが、 その「子供」の欄に、義兄と、離婚した際に生き別れた弟との間に、もう1人、 生まれてすぐ翌日に亡くなった次男がいたことがわかった。 このことはこれまで義兄さえ知らなかった事実だった。
それが、5月23日の日記に書いた、あの位牌なのだった。 位牌と戸籍の日付が一致したのだ。
あの位牌については疑問だったのだが、これでスッキリした。 昭和25年の謎も解けた。
父は、亡くなった子供の位牌を転々としながらもずっと持ち続け、 母は、父が亡くなって位牌を書いてもらう時に、先妻の子の位牌も書き直してもらって、 繰り出し位牌に入れてひとつにして、まつっていたのだった。
本来ならば、生んだ実母が保管するであろう位牌を、 離婚後の父が大切に持っていたとことをみんなが疑問に思い、それによって “位牌は、母の生んだ子供ではないか” “母が父との結婚前に子供を生んでいたのだろうか?”との憶測を呼んで混乱した。
そして位牌は誰のものかわからないまま、お寺の住職の薦めで納骨の日に “母に縁のある人”として、母の骨壷に納められたわけだが・・・
父と、優しく守ってくれた母と一緒のお墓で、彼も安らかに眠っていることだろう。
|