Mother (介護日記)
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カレンダーを見てみたら、今月の絹江やレフティーが休みの日は13日間あった。
母と2人だけになると、どうしても荒れたり鬱になったりする。
朝食をとらないレフティーが起床するのは8時過ぎ。 毎度、母の激しい咳き込みで早い時間に起こされることが多いので、 “目覚ましの音”で起きてくるまでは、できるだけ寝かせておいてあげたい。
母を起こせば途端に咳き込みが始まるので、 レフティーの出勤までは、声を掛けずにいることが増えた。
でも、たまに思う。 絹江もレフティーも出掛けた後で起こしに行ったら、既に息をしてなかった・・・ なんてことがあったら、私ひとりでどうしよう、と。
ちょっと前は、 登校前の絹江に『母に挨拶をしてから行くように』 と言っていたのだが。
今日もレフティーの出勤直後に起こしに行った。 咳き込みが始まって、着替えをしているようだった。
私が(朝っぱらから)ネットに夢中になっていて、ふと気が付くと、 母のセキが鎮まっていた・・・つまりは・・・寝ていた。
そんなワケで今日も青い空を横目で見ながら、家の中で会話もなく、 テレビを見ながらパソコンいじっているうちに時間が過ぎて行った。
洗濯物を取り込みながら、今日の夕陽は特別キレイだと思った。 夕陽を見た時間がグッドなタイミングだったのか、雲がなく良く晴れていたからなのか。 なぜかとても得をした気分になった。
今更だけど、この太陽というものはひとつしかなくて、 世界中で何人かが、今この瞬間に同じ太陽を見ているんだと思うと、不思議な感じがした。
夕飯前、やけに母が咳き込んでいた。 そういう時に限って、おかずの中に酢の物がある。
結局、治まったかと思えばまた咳き込んで、食べた物は飛ばすし、 慣れたとは言え耳障りな音であり、テレビの音も聞き取りにくい。 きっと、みんながそれぞれに“誰か、止めろよ”と思っていたに違いない。 お互いに顔を見合わせた。
結局、一番遠い席に座っている私が、背中をさすることにした。
先日、ネットで知り合った方から、背中にセキのツボがあると教えていただいたので 背骨を中心に、あちこちをピンポイントで押してみたところ、 背骨よりもやや右側の、肩よりも少し下がったところあたりを 非常に痛がることがわかったので、そこを中心にさすってあげると、まもなくセキが落ち着いた。
「そこ、そこ。そこがすごく痛いんだけど、私、どこかが悪いのかしら?」
また始まった・・・(-_-;)
「だから。肺炎だってば」
「え? 肺炎? 私、肺炎なの? 肺炎って怖いんだよね〜 私、死ぬのかしら?」」
「前からそう言いながら、もう2年も生きてるよ」
「あぁ、そう。 私にはきっと長生きの運がついてるんだわ〜」
そんな話をする頃には、セキが出たことも背中が痛いこともすっかり忘れているようだった。
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