Mother (介護日記)
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2003年02月15日(土) 『訪問者』 と言う薬

昨夜寝たのは2時半頃だったか・・・起きたらお昼近くだった。

服に着替えようとしていたところ、玄関のチャイムが鳴った。
ケアマネージャーのIさんだった。
自身が風邪を引いていたため、しばらく来ていなかった。

最近の母の様子を報告したら
入浴介助や、通院の付き添いをしてもらったらどうか、と言われた。

入浴については、現在のところ、私が週に1度程度やっているが、
最近は夕食時間の遅延が影響して「いいや、また明日」と持ち越してしまうことが多い。

湯上りの母の世話をさせることが受験生の絹江の精神的な負担になってはいけないから、と
ケアマネージャーは私に以前から入浴介助を勧めてきたが、
うちはシャワーがなくて不便だし、沸かし湯だし、
私自身が気分転換のために外出することも多いので、まだ一度も利用していない。


通院の付き添いについては、お願いした方が良いのかも知れない。

酸素ボンベの分、荷物が増えたし、母の歩行にも介助が必要になってきた。

他人と一緒にいると確かに気を使うのだが、ヘルパーがついてくれれば、
酸素ボンベももう1本余分に持って行って、
病院の帰りに買い物に回ることもできるようになるだろう。

「同じ事業所じゃなくても、かまいませんね?」

早速今後の検診予定を控え、
できるだけ早い時期から増やせるように調整してみるとのことだった。



 * * * * *



絹江は、お友達と勉強をするために図書館に出かけて行った。

数日前にメールがあって、2時過ぎに、ゆきっちが来ることになっていた。

電話が来て数分後、手作りのガトーショコラを持って来てくれた。

ゆきっちは今日から1週間連休で、
大阪のお友達のところに遊びに行く前に、わざわざ寄ってくれたのだった。

最近、母と二人の日は、朝から顔も洗わずに昨日と同じ服を着て、
とりあえず洗濯はするものの、干すのはいつもお昼過ぎ。

仕事を辞めたからって、家事に積極的に取り組むわけでもなく、
ホコリだらけの部屋でネットと昼寝の生活。

伸びきった髪の毛は、ターバンでよけてるだけで。
こんなんじゃ、とても人には会えない、会いたくない。 

誰かが突然来るのも困る。
当然、外にも出られない。

仕方なくゴミ捨てだけは行く。
毎日の買い物は仕事帰りのダンナに任せて・・・

ボケッとしている間に子供は成長し、先日は受験に失敗。
なんとかしなくては、と思うだけで、ちっとも動けない。

そんな自分に嫌気がしながらも、よどんだ空気の中にうずくまってる。

“思うような介護ができないのは寒いからだ”と決め付ける。

風邪を引かせたら大変だ。酸素ボンベ何本も持ち歩くのは大変だ。
だからどこにも行けないんだ・・・と、晴れた空を見て嘆いている。

いったい、私はなんのために生きてるんだろう?

そのワリには、
着替えさせて、簡単なご飯食べさせて、お尻拭いて・・・と、
介護というにはあまりにラクチンじゃないか。

そんな毎日を過ごしていたのだけど、
今日はなんとか掃除機をかけて、お布団も干した。

髪を整え、スキーパンツ風綿入りズボンをチノパンに替え、
よれよれのTシャツをハイゲージニットに替えたのだった。




ケアマネージャーもゆきっちも、ホンの数分ではあったけど、
これで滞った空気も入れ替えができて、今日は気持ちがラクだった。


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