Mother (介護日記)
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2003年01月14日(火) ひなたぼっこ

洗濯物を干しに庭に出たら、風もなくて暖かだった。

お隣はお孫さんをおんぶして、広い駐車場をお散歩していた。

寒くなってからは風邪を引かさないことに注意して、
買い物に行く程度になっていたが、そうだ、庭に出て日に当たるのも良いだろう。

いつもは庭に出るための踏み台となっているビールケースの上に、
座布団と電気座布団を重ねて、そこに座ってもらう事にした。

酸素は、ボンベを使わずとも、部屋からチューブを引っ張って使えた。

外に出たら激しく咳き込んでしまい、その声がご近所中に響き渡ってしまったが、
ご理解をいただくしかない。

途中、部屋に戻そうかとも考えたが、しばらくして落ち着いた。

「暖かいね」とうれしそうにしていた。 お隣とも挨拶を交わした。

写真を撮った。

30分ほど、まったりと過ごした。

午後になると風が出てきた。 ひなたぼっこは良いタイミングだった。


 * * * * *



病気の老人を、特に痴呆があると、
まるで世間から隠すようにして外に出さない家庭が多いと聴くが、
そのことが、逆に世間の偏見を生んでいるような気がする。

今後急速に増える高齢者に対応するためには、
経験者だけが考える福祉では追いつかないだろう。
老人の特徴や介護の様子などができるだけ多くの人の目に触れる機会が必要なのだ。

例えば駅のエスカルや車椅子対応エスカレータにしても、
それを利用しているところを見た人が
「あぁ、こういうものがあるんだ」と、知っておくことが大事だと思う。
それによって、家族なり身近な人なりがそういう状況になった時に、
気軽に外出できることができるのだ。

お互いに高齢者を抱えるようになり、
街では当たり前のように車椅子を押す家族が増えて、誰もがそれを理解し、
そういう人たちに対してどう手助けすべきかを自然に覚えていく・・・

歳を取ることがどういうことか、
障害者にとって何が不便なのか、どう工夫すればいいのかを、
健常者も子供たちも、みんなで考える社会になることを願う。


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