ヤグネットの毎日
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| 2002年08月25日(日) |
城陽の自然と人間をみる |
24日は午前中に、生き物調査などに市内の小中学生を巻き込んで熱心に取り組む方とお話をする。 「城陽生きもの調査隊」は、セミガラ調査などをはじめ今ではかなりメジャーな団体となった。その活動に当初からかかわっている方だ。 僕は、テレビゲームなどに熱中し自然と親しんだり、外で遊ぶ経験がなくなりつつある最近の子どもたちの変化とそれが子どもの成長に与える影響など、夏の合研で学んだことなどを話した。 Tさんは、青谷の地域でひらいている「くぬぎの里」での子どもの様子などを話してくれた。誰から指示を受けることもなく、自発的に作業をすすめ、自然と親しむ子どもたちの姿などがイキイキと伝わってきた。
「子どもの居場所づくり」ーーこの問題が二人の共通した話題になった。 いま、城陽では子どもの居場所が少なくなっている。お隣りの京田辺市では、「スケボー練習場」の建設にむけて、ワークショップ形式で市民の声を聞く活動が具体的にスタートしようとしているそうだ。 休耕田生かしたりしての「遊び場づくり」、いつでも子どもたちが集まりたいときに集える場所=たとえば児童館づくり。条件づくりこそ大人の、いや行政が果たすべき責務ではないか。
午後からは、文化パルク城陽の会議室で講演会があり参加してきた。 城陽市環境基本条例の制定を記念して、「暮らしを育む自然」というテーマでの講演会。講師は京都教育大学教授の広木一紀先生。城陽市動植物環境調査に携れた方である。会場は、100名近くの方で熱気ムンムン。関心の高さに驚いた。 広木先生は、自然を「人間の意図に依存しない営み」としたうえで、自然は原生林のような日常から離れた場所だけではなくて、花壇など私たちの身近なところにも存在する。そうした身近な自然のなかに、人間の意図に依存しない営みを発見し、共生していくという意識が薄くなっている意味で、自然離れは由々しき問題ではないか、とお話をされた。 そして、自然離れをどう克服するのか、と問題を提起した広木先生は、生涯学習や自己および相互啓発野中で、3段階の取り組みを提唱。 第1段階として、とにかく親しみ楽しむこと。第2段階は、学ぶ意識をもって親しむこと。とくに、人間の営みに依存しない営みの存在に注意し、自然のいろんなつながりに注意し、人間のくらしと自然のつながりに注意することなどが強調された。 そして、第3段階として、個人のくらしや社会のあり方のなかでの自然との賢いつきあい方を工夫すること。この場合、賢いつきあい方とは、人間と自然双方にとってよい、持続的なつきあい方という意味だ。
以上の3段階を豊富な資料にもとづいてお話をしていただき、とてもわかりやすいお話しで刺激的だった。
講演会のあと、歴史民俗資料館で開かれている特別展「自然と人間」〜ふるさとの生き物たち〜を見学。ふるさとの歴史を自然環境という視点からひもとくユニークな展示に加え、やましろ里山の会や城陽生きもの調査隊など、市民団体の調査結果の展示などもあり、すばらしい展示会だった。 そのなかで、僕の目をひいたのが、山砂利採取場についてのコメントである。山砂利採取がはじまって40年をふりかえったのち、次のように結ばれている。
かつては、誰でも目にしていたバイカモも、今では知る人は少なくなりました。このまま放置すれば災害につながることもあって、山砂利採取の跡地も修復整備が進められています。損なわれた自然を安易につくりだすといったことではなく、地域の生態系が自己回復するような活力をとりもどすことを願って。
あの地域では、バイカモという稀少価値のある藻が絶滅の危機に瀕している、という。地元の小学校ではそのバイカモも繁殖させる取り組みがはじまっているそうだ。100年先の子どもたちがバイカモも愛でることができるような環境を整備することは、今を生きる城陽の人々に課せられた重く、しかし大切な課題である。
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