2009年03月26日(木) |
オバマ大統領:「強いドル」強調? |
報 道 1、「米経済に改善の兆し」 オバマ大統領、ドルの信認に自信 2009年3月25日 日経 2、オバマ大統領:「強いドル」強調 2009年3月25日 毎日 3、中国人民銀総裁、ドル基軸体制での限界指摘の論文 2009年3月25日 日経 4、中国人民銀総裁、米ドルの役割を疑問視 2009年3月25日 朝鮮日報 5、オバマ大統領は米国の常識に支配されている人 2009年3月9日 金融危機関連情報から
3月5日の金融危機関連情報で「米国の国防予算が前年度の50兆円から4%増の52兆の数字を見た時、オバマ大統領は、米国の今までの常識に支配されている人であると思った」とやや批判的な記述をした。
報道1によるとオバマ米大統領は米経済の現状について、景気対策や金融安定化策など一連の対策で次のように述べている。 「改善の兆しが見えつつある」と表明し、基軸通貨ドルの信認に関しては「現在、ドルは極めて強い。投資家が米国は世界で最強の経済で、最も安定した政治システムがあるとみているからだ」と述べている。現実を知らない人の発言のように思う。
オバマ米大統領はビック3・金融機関が政府の援助なしでは存立できない状態になっているのに「現在、ドルは極めて強い。投資家が米国は世界で最強の経済で、最も安定した政治システムがあるとみているからだ」といえるのか。また国家の視点で見ても、3月22日に書いたように2年間で309兆円の財政赤字がでる国がどうして「最も安定した政治システム」といえるのか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1、「米経済に改善の兆し」 オバマ大統領、ドルの信認に自信 2009年3月25日 日経 【ワシントン=丸谷浩史】オバマ米大統領は24日夜(日本時間25日午前)、ホワイトハウスで記者会見し、米経済の現状について、景気対策や金融安定化策など一連の対策で「改善の兆しが見えつつある」と表明した。基軸通貨ドルの信認に関しては「現在、ドルは極めて強い。投資家が米国は世界で最強の経済で、最も安定した政治システムがあるとみているからだ」と述べた。中国やロシアなどで提唱されているドルに代わる国際通貨構想は「必要ない」と言明した。 大統領は保険大手AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)問題にも触れて「米国にはAIGのような機関を取り扱う手段がなかったことが問題化した原因の1つだ」と、破綻処理の枠組みを含むノンバンクの規制強化の必要性を強調した。 AIGが支給した高額賞与に関しては「私も怒っている。だが、重要なのは米国が1つになり、国民皆が責任を共有して初めて経済はうまくいくとこの危機で学んだことだ」と指摘。(11:31)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2、オバマ大統領:「強いドル」強調 2009年3月25日 毎日 【ワシントン斉藤信宏】オバマ米大統領は24日の会見で「米ドルは強い。世界の投資家が米国経済を世界で最も強いと考えているからだ」と強調、就任後初めて「強いドル」に言及した。中国やロシアなど新興国が、ドルに代わる国際基軸通貨創設の必要性を提唱していることを受けたもので、大統領は、明確に否定した。4月2日にロンドンで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)を前に、基軸通貨ドルを維持する姿勢を鮮明にした。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3、中国人民銀総裁、ドル基軸体制での限界指摘の論文 2009年3月25日 日経 【北京=高橋哲史】中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は23日、ドルを基軸通貨とする現在の国際通貨体制の限界を指摘する論文を公表した。「基軸通貨を発行する国だけで世界に流動性を提供すると同時に通貨価値を安定させることはできない」とし、国際通貨基金(IMF)のSDR(特別引き出し権)制度の拡充を訴えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 4、中国人民銀総裁、米ドルの役割を疑問視 2009年3月25日 朝鮮日報/日本語版
ドルの乱発による中国の外貨準備高の価値低下をこれ以上座視しないという意思を表明したものだ。中国は2兆ドルに達する外貨準備高の3分の2以上を米国債などドル建てで保有している。 中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は23日、同行のウェブサイトに掲載された「国際通貨改革に関する考え」と題する寄稿で、「特定国家の通貨が基軸通貨の役割を担えば、その国の国内における政策上の必要と他国の要求が互いに衝突せざるを得ない」とし、基軸通貨を米ドルから国家の枠組みを超えた国際通貨に転換することを主張した。 周総裁は「全世界が必要とする資金を十分に供給しながら、通貨価値を維持する方法はない。基軸通貨を発行する国が国内で行き過ぎた景気対策に走れば、全世界に資金があふれることになる」と警告した。直接米ドルを名指しはしていないが、米連邦準備制度理事会(FRB)が最近、発券力を動員して1兆1500億ドルを米国債や住宅ローン担保証券の買い取りに充てる方針を示したことに対する批判と受け止められている。 周総裁は国際通貨基金(IMF)の役割強化も提言した。国家の枠組みを超えるIMFの特別引出権(SDR)を活用し、必要な国に資金を供給しようと訴えるものだ。周総裁は「IMFの保有資産規模を大幅に拡充することで、経済規模に見合うように各国の発言権、代表権を調整すべきだ。SDRの基準通貨には(人民元を含む)主要経済大国の通貨を全て含むことが可能だ」と指摘した。 北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員
5、 2009年03月05日(木) オバマ大統領は米国の常識に支配されている人 1、米予算の基本方針、国防費は4%増の52兆円 2009年3月1日 日経 2、オバマ米政権、2010年度予算は350兆円規模-09年度赤字は前年比4倍に 2009年02月27日 IBTimes 3、09年度の米財政赤字、過去最大171兆円に…予算教書骨格 2009年2月27日 読売新聞
米国の国防予算が前年度の50兆円から4%増の52兆の数字を見た時、オバマ大統領は、米国の今までの常識に支配されている人であると思った。これだけの金融危機に見舞われて経済が混沌としているのに、国防費を増額するなどは考えられない。52兆円の国防費は、全世界の国防費とほぼ同額なのである。 オバマ大統領は、世界の国防費の半分を使うというアメリカの常識から脱却して欲しかった。
10年度の歳出総額は、前年度比9.8%減の3兆5520億ドル(355兆円)で財政赤字1兆7,500ドル(175兆円)に達するのである。米国信認崩壊の危機が迫っていると思うのは私だけだろうか。
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