米国発 金融危機関連情報

2009年03月17日(火) 世論と権力を敵に回すAIG

 報 道
1、AIGの高額ボーナス、支払い阻止を オバマ大統領
                      2009年3月17日  日経
2、米AIG、巨額ボーナス既に支給=大統領、議会が猛反発
                      2009/03/17 時事通信
3、AIGの高額ボーナス支給 オバマ大統領が支払い阻止命じる
                     2009.3.17   産経新聞
4、経営危機「震源」にボーナス 最大で440億円 AIG
                     2009年3月16日  朝日新聞
5、AIG巨額ボーナス、「言語道断」とサマーズ議長
                     2009年3月16日 読売新聞
6、米AIGのボーナス阻止に向け法的手段を追求する=オバマ大統領
                     2009年 03月 17日 JST
7、米AIG幹部に最大6億円の賞与 政府管理下で再建中
                      2009/03/16 共同通信

 オバマ米大統領は16日、政府支援を受けているアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の幹部社員向けボーナスについて「あらゆる法的な手段で阻止するようガイトナー財務長官に指示した」と明らかに更に「納税者に対する侮辱は全く正当化できない」と極めて厳しい口調で非難している。

 ボーナスが、巨額損失を計上した複雑な金融商品取引を手掛けた部門の従業員らを中心に支払われているから問題が大きくなっている。この損失が原因でAIGは経営危機に陥り、公的支援を仰ぐ事態になった関係者になぜ巨額なボーナスを払うのか。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)の報道によると、「AIGは約400人の幹部社員に対する2008〜2009年2年分のボーナスとして計4億5000万ドル(約440億円)の支給を計画。1人あたりの最高支給額は650万ドル(約6億3700万円)となる」という。

 世論を代表する米議会でも、下院金融サービス委員会のフランク委員長が政府に対し、ボーナス返還の可能性を模索するよう要求。これまで4回にわたり、合計1700億ドル超の公的支援を受けたAIGへの批判が急速に高まっている。サマーズ国家経済会議議長は15日のテレビ番組で「この1年半でいろいろひどいことが起こったが、今回のAIGの件が最も言語道断だ」と述べている。 AIGは世論と権力を完全に敵に回している。現経営陣の総退陣に発展するのではないか。

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1、AIGの高額ボーナス、支払い阻止を オバマ大統領
                      2009年3月17日  日経
 オバマ米大統領は16日、政府支援を受けているアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の幹部社員向けボーナスについて「あらゆる法的な手段で阻止するようガイトナー財務長官に指示した」と明らかにした。
 オバマ大統領は「現下の状況で、AIGのデリバティブ(金融派生商品)のトレーダーがなぜボーナスの支払いを保証されるか理解しがたい」と指摘した。AIGは公的資金で再建中だが、経営危機に陥る前の雇用契約に基づく高額ボーナスが明らかになり米世論の批判が高まっている。(ワシントン=大隅隆) (01:30)
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2、米AIG、巨額ボーナス既に支給=大統領、議会が猛反発
                      2009/03/17-08:04 時事通信
 【ニューヨーク16日時事】米政府・連邦準備制度理事会(FRB)から巨額の金融支援を受けて再建中の保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は16日、幹部社員らに対して総額1億6500万ドル(約160億円)のボーナスを既に支給したことを明らかにした。
 公的資金注入を受けた金融機関の報酬問題を調査しているニューヨーク州のクオモ司法長官に対し、同社が同日報告した。同長官はAIG経営陣らを召喚し、さらに詳しい事情を聴く方針だ。
 ボーナスは、巨額損失を計上した複雑な金融商品取引を手掛けた部門の従業員らを中心に支払われている。この損失が原因でAIGは経営危機に陥り、公的支援を仰ぐ事態になったため、オバマ大統領はボーナス支給について「納税者に対する侮辱は全く正当化できない」と極めて厳しい口調で非難した。
 世論を代表する米議会でも、下院金融サービス委員会のフランク委員長が政府に対し、ボーナス返還の可能性を模索するよう要求。これまで4回にわたり、合計1700億ドル超の公的支援を受けたAIGへの批判が急速に高まっている。)
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3、AIGの高額ボーナス支給 オバマ大統領が支払い阻止命じる
2009.3.17 08:20  産経新聞
 【ワシントン=渡辺浩生】政府の支援を受けて経営再建中の米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)による幹部社員への高額ボーナス支給問題で、オバマ米大統領は16日、「どう正当化されるのか理解しがたい」と憤慨し、ガイトナー財務長官に、「あらゆる法的手段」を使ってボーナス支給を阻止するよう指示したことを明らかにした。
 公的資金注入金融機関の高額報酬を調査しているニューヨークのクオモ司法長官も同日、AIGに情報開示を求めた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)によると、AIGは同司法長官に対し、金融商品部門の幹部社員に総額1億6500万ドルのボーナスを13日に支給したことを明らかにしたという。
 金融商品部門は、昨年9月のAIGの経営危機の引き金となったクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)と呼ばれるデリバティブ(金融派生商品)取引を扱う部門。AIGは約1700億ドルの支援を政府や連邦準備制度理事会(FRB)から受けている。
 オバマ大統領は「AIGのデリバティブ・トレーダーがいかなるボーナスに値するのか理解に苦しむ」と述べ、公的管理下にあるAIGの高額賞与を容認できないと強調した。
 さらに、「国中で大勢の人々が政府の救済を受けずに自身の責任で懸命に働いている。彼らが求めることはメーン・ストリート(普通の人々)からウォール街に至るまで皆が同じルールに従うことだ」と訴えた。
 財務省幹部は、今月2日に発表された300億ドルの追加支援に、支給されたボーナス全額を国に返還する条項を加えることなど、複数の手段を検討していることを明らかにした。
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4、経営危機「震源」にボーナス 最大で440億円 AIG
2009年3月16日  朝日新聞
 【ニューヨーク=山川一基】巨額の公的資金注入を受けて再建中の米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が、経営危機の震源となった部門に最大計4億5千万ドル(約440億円)ものボーナスを支払うと、15日付の米メディアが相次いで報じた。米政府や議会は激しく反発している。
 ボーナスの対象は、金融危機の引き金となった金融商品を扱い、巨額損失の原因をつくった金融商品部門。ニューヨーク・タイムズ紙によると、幹部ら約400人に昨年12月、まず5500万ドルが支払われ、13日には1億6500万ドルが支払われた。1人当たりの最高額は650万ドル(約6.4億円)という。10年3月までに2億3千万ドルが支払われる予定で、2年間で合計4億5千万ドルにのぼる。
 ボーナス支払いは公的資金注入前の08年初めに決まっていたという。経済紙ウォールストリート・ジャーナルによると、エドワード・リディ最高経営責任者(CEO)は政府あての手紙で「払わなければ法的問題に発展する」とした。ただ、09年のボーナスは3割削ることになったとの報道もある。
 AIGは米政府から計1700億ドル(約16.7兆円)超の支援を受け、政府管理下で再建中。サマーズ国家経済会議議長は15日のテレビ番組で「この1年半でいろいろひどいことが起こったが、今回のAIGの件が最も言語道断だ」と述べた。
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5、AIG巨額ボーナス、「言語道断」とサマーズ議長
2009年3月16日14時55分 読売新聞
 【ニューヨーク=山本正実】米国のサマーズ国家経済会議(NEC)議長は15日のテレビ番組で、米政府管理下で再建中の米保険大手AIGが、幹部社員に巨額のボーナスを支払うことについて、「言語道断だ」と強く批判した。

 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長も同日、税金を投入してAIGを救済せざるを得なくなったことについて、「不公平な話で腹が立つ。電話をたたきつけたこともある」と語った。
 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)の報道によると、AIGは約400人の幹部社員に対する2008〜09年の2年分のボーナスとして計4億5000万ドル(約440億円)の支給を計画。1人あたりの最高支給額は650万ドル(約6億3700万円)となる。
 計画を知ったガイトナー米財務長官が再考を迫ったが、AIGは「政府支援を受ける前に結ばれた雇用契約で支給が義務づけられている」と説明。08年分のボーナスとして、5500万ドル(約53億円)が昨年12月に、1億6500万ドル(約162億円)が今月13日にそれぞれ支払われたという。
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6、米AIGのボーナス阻止に向け法的手段を追求する=オバマ大統領
2009年 03月 17日 01:46 JST
 [ワシントン 16日 ロイター] オバマ米大統領は16日、保険大手アメリカン・ インターナショナル・グループ(AIG)による公的資金からの高額ボーナス支給について憤りを示すとともに、ボーナス差し止めに向けてあらゆる法的手段を探るようガイトナー財務長官に要請したことを明らかにした。

 大統領はホワイトハウスで行われたイベントの準備原稿で「現在の状況下で、AIGのデリバティブトレーダーがボーナスを受け取る、まして1億6500万ドルの臨時収入を受け取ることは理解し難い」とし、「納税者に対してこの暴挙をどう正当化するのか」と述べた。

7、米AIG幹部に最大6億円の賞与 政府管理下で再建中
2009/03/16 00:05 共同通信

 【ニューヨーク15日共同】15日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、政府管理下で経営再建を進める保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が2008年分のボーナスの一部として幹部約400人に計約1億6500万ドル(約161億円)を支払うと報じた。1人当たりの支給額は最大650万ドル(約6億円)。
 AIGはこれまで4回にわたって計1700億ドルに達する公的資金による救済措置を受けており、サマーズ米国家経済会議(NEC)委員長は15日、ABCテレビとのインタビューで「言語道断だ」とボーナス支給を強く批判。将来的に法律で規制されるべきだとの考えを示した。
 下院金融委員会のフランク委員長もFOXテレビに「法的に回収可能かどうか検討しなければならない」と語った。
 米メディアによると、ガイトナー財務長官はAIGに対して再考を求めたが、リディ最高経営責任者(CEO)は、経営危機が表面化する前に契約で決まっており、15日までに支給しなければ訴訟を起こされる可能性があると説明した。
 ボーナスは、リスクが高い金融商品への投資に傾斜して巨額の損失を出した資産運用部門の幹部向けが大半。AIGは、別のボーナス計約5500万ドルを昨年12月に幹部に支払っている。


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石田ふたみ [MAIL]

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