2009年02月20日(金) |
米大統領、借り手救済へ7兆円 |
報 道 1、住宅対策を正式発表 米大統領、借り手救済へ7兆円 2009年2月19日 日経 2、米国:住宅ローン、公的資金で元本削減 借り手救済7兆円 毎日新聞 2009年2月19日 東京朝刊 3、米住宅対策:識者はこうみる 2009年 02月 19日 04:50 JST 4、米政府が住宅対策発表、900万件の差し押さえ回避狙い 2009年 02月 19日 03:16 JST
昨日「米国の過剰消費文化の崩壊」と題して書いた。今日のニュースは米国民の借金1430兆円の一部の救済である。この政策が果たしてよいのかどうか、歴史の審判によるしかない。消費バブルを作った国民に対して、低金利での支援は理解できるが、元本7兆円もカットしてやるような政策は賛成できない。何もしないで、900万件の差し押さえを容認、生活文化の転換を迫る事もひとつの政策ではないかと思う。
今回の政策の骨子は次の通りである。 「米政府は18日、住宅ローンの焦げ付きで急増している住宅差し押さえを抑制するため、最大900万世帯の住宅ローンの借り手を対象に、低利子ローンへの借り換えを支援したり公的資金によってローンの元本を条件付きで削減することなどを柱とする総合住宅対策」(資料2から)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1、住宅対策を正式発表 米大統領、借り手救済へ7兆円 2009年2月19日 日経 【ワシントン=米山雄介】オバマ米大統領は18日、アリゾナ州で演説し「住宅ローンの危機がもたらす負の連鎖に歯止めをかけるため、大胆かつ迅速に行動すれば、1人ひとりの米国民が恩恵を受ける」と述べ、ローンの借り手救済に750億ドル(約7兆円)の公的資金を活用することなどを柱とする包括的な住宅対策を正式に発表した。 大統領は、米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)を通じて住宅ローンを借り入れている400万―500万世帯を対象に「低利ローンへの借り換えを可能にする」と表明。 債務不履行や住宅差し押さえに直面している借り手を対象に「ローンの返済条件を見直すための新たな奨励策を設ける」と述べた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2、米国:住宅ローン、公的資金で元本削減 借り手救済7兆円−−米政府対策 毎日新聞 2009年2月19日 東京朝刊 【ワシントン斉藤信宏】米政府は18日、住宅ローンの焦げ付きで急増している住宅差し押さえを抑制するため、最大900万世帯の住宅ローンの借り手を対象に、低利子ローンへの借り換えを支援したり公的資金によってローンの元本を条件付きで削減することなどを柱とする総合住宅対策を発表した。オバマ米大統領は、住宅市場対策を大型景気対策や金融安定化策と並ぶ経済再生プランの柱と位置づけており、今回の借り手救済策をきっかけに低迷の続く住宅市場のテコ入れに本格的に取り組む方針だ。 新たな対策は、住宅ローンの返済額が月収の4〜5割に達し、返済に窮している最大400万世帯に対し、総額750億ドル(約6兆9000億円)の公的資金でローンの元本を削減するなどの支援を実施する。 また、政府系住宅金融2社に対する公的資金による資本注入枠を現状の2倍の各2000億ドルに拡大し、低利住宅ローンの供給を後押しする。 米国では、米連邦準備制度理事会(FRB)が米国型量的緩和政策の一環として、政府系住宅金融2社の保証する住宅ローン担保証券(MBS)の買い取りを進めている。その効果もあり、返済期間30年の住宅ローン金利は史上最低の水準で推移している。
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3、米住宅対策:識者はこうみる 2009年 02月 19日 04:50 JST
[ニューヨーク 18日 ロイター] オバマ米政権は18日、最大2750億ドル規模の住宅市場安定化策を公表した。最大900万世帯の差し押さえ回避に向け、公的資金により住宅ローンの組み換えや借り換えを支援する。市場関係者のコメントは以下の通り。 ●ありきたりの対策では効果薄 <ディシジョン・エコノミクス(ニューヨーク)のシニア・エコノミスト、ピエール・エリス氏> この日発表された1月の住宅着工件数が需要低迷でさえない結果となったことからも分かるように、住宅市場が抱える問題はとてつもなく大きく、ありきたりの対策では手に負えない。住宅建設は非常に低調となるなか、現在は在庫調整が進ちょくしており、将来的には市場の持ち直しも見込まれる。しかし、回復に欠かせない需要サイドの動向については、今後も通常と比較してかなり弱いだろう。 ●大きな助け、GSEへの資金供給は有効 <LPBキャピタルの最高投資責任者アンドリュー・ベコフ氏> 住宅対策は大きな助けになる。政府の措置と連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.P: 株価, 企業情報, レポート)および連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.P: 株価, 企業情報, レポート)への追加資金供給により、数百万人が家を失わずに済むだろう。毎月の住宅ローン返済を減額するのは適切な第一歩だ。 ただ、納税者の負担を軽減したり、住宅市場が回復した際に政府に損失の埋め合わせや利益の共有が可能になるような規定が必要だ。 ●効果は疑問、悪用招く恐れも <AIGサンアメリカ・アセットマネジメントのシニア・ポートフォリオマネジャー、マイケル・チア氏> 住宅支援計画は評価できるが、必要以上に複雑だ。いかなる努力も支援につながるが、効果については疑問だ。システムの悪用といったような意図せぬ結果を招く可能性もある。 米連邦準備理事会(FRB)はモーゲージ担保証券(MBS)買い取りを拡大すべきだ。住宅ローン金利を十分に低下させることができれば、住宅ローンの借り換えを再び活発化させることができる。買い取りの実施が遅れれば、住宅ローン市場は一段と混迷し、借り換えによる恩恵は限定的となるだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 4、米政府が住宅対策発表、900万件の差し押さえ回避狙い 2009年 02月 19日 03:16 JST
[ワシントン 18日 ロイター] オバマ米政権は18日、最大2750億ドル規模の住宅市場安定化策を公表した。最大900万世帯の差し押さえ回避に向け、公的資金により住宅ローンの組み換えや借り換えを支援する。 政府高官によると、政府資金のうち500億ドルは、不良資産救済プログラム(TARP)から拠出する。 大統領は支援計画について演説のための原稿で「ルールに基づき責任ある行為によって借り入れを行ってきた世帯を支援することが狙い」と説明した。 最大500万人の住宅保有者を対象に、住宅ローンの借り換え資金の提供する。さらに、サブプライム(信用度の低い借り手向け)住宅ローンの返済難に陥っている300─400万人の住宅保有者の返済支援に向け750億ドル拠出する。 財務省は、住宅市場の支援に向けて連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の役割を強化するため、2社の優先株取得額をそれぞれ1000億ドルから2000億ドルに拡大する。 また、両社のモーゲージポートフォリオの上限をそれぞれ500億ドル引き上げ9000億ドルとする。
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