2003年11月20日(木) |
音の色彩を輝かせて(2) |
梯剛之さんは1997年の20歳の若さから全国各地でリサイタルを開催して大きな反響を呼んでいる。1997年9月26日東京NHKホールの感動的なコンサートを伝える記事を引用したい。曲はモーツアルトのピアノ協奏曲第13番「絶妙な呼吸で澄んだ音が流れる。・・・各曲の演奏が終わると感極まった指揮者の秋山和慶は『モーツアルトの再来だ』と絶賛した。・・拍手がいつまでも鳴り止まなかった」と報じていた。凡人が感想を記述する資格もないが、人間の能力の限りなさに驚嘆するのみである。これだけのピアニストを育てた母郁子さんはどんな人なのだろう。 ・ この母の 海より深き 愛ありて 息づくいのちが 大樹とならん 梯剛之さん語る。「音楽というのは生命みたいのもの。雨が降ったり、太陽が出たりすることで自然が息づいている。自然に対して養分を与えると同じように、音の色彩という養分を与えることで感動が『パーッ』と広がってゆく。その感動をいかにインスピレーション(霊感)に直結させて聞いている人に届けるか。その基本はどの曲も同じです」と。 音楽の世界で深い悟りを自覚している語録である。人の心に感動を与える大音楽家に母郁子さんが剛之さんを育てたことになる。
・この母が 教え育てし 剛之あり 感動伝える 二人の絆
(本文、短歌も1997年10月19日に日々の映像から。短歌は修正して掲載)
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